16歳から25歳の全妊娠女性にクラミジア検査を行うべし。
母親や赤ちゃんの合併症を防ぐことができて、費用に見合うような効果も見込めそうだと分かった。
オーストラリアからの報告だ。
クラミジアだと赤ちゃんが危ない
オーストラリアのメルボルン大学を中心とした研究グループが、産婦人科学の専門誌インターナショナル・ジャーナル・オブ・オブステトリクス・アンド・ガイナコロジー誌で2015年8月26日に報告した。
研究グループによると、オーストラリアでは、クラミジアが最も多い性感染症の一つであるという。クラミジア・トリコマチスという細菌が、女性では膣や子宮、男性では尿道に感染する。喉に住み着く場合もある。
オーストラリアでは、16歳から25歳の年齢層ではクラミジアの感染率は3%から14%と説明する。
クラミジアでは子宮に炎症が起きるため、妊娠中のクラミジアは母親と赤ちゃんに悪い影響をもたらす。具体的には、新生児肺炎、低体重出生、流産、早産などの合併症を起こす原因となる。
5人に1人しか検査していない
問題となるのは、クラミジアにかかっていても多くの女性では症状がないところ。気付かずに妊娠している場合も多い。
オーストラリア政府は、25歳までの妊娠女性に対し、最初の妊婦検診でクラミジア検査を受けるよう推奨している。早めの検査で、感染を発見し、合併症を起こす前に治療するのが可能になると考えられるからだ。
オーストラリア国内の産婦人科医1600人に対して行われた最近の調査によると、妊婦検診でクラミジア検査を受けた25歳以下の妊娠女性はわずか21%だった。
今回研究グループは、16歳から25歳のオーストラリアの全妊娠女性に対してクラミジア検査を行った場合と、検査なしまたは感染の高リスク者のみに検査した場合とで、費用対効果を試算している。
「全員検査」は費用対効果高い
全員に検査をすると費用対効果が高いという結果になった。
16歳から25歳のオーストラリアの全妊娠女性に対してクラミジア検査を行った場合、赤ちゃんの合併症リスクも下がると分かった。
クラミジア検査で感染が見つかった場合、治療費は1人当たり1641ドル、日本円で約20万円となったと説明する。
検査をせず感染を見逃して合併症につながったとすれば、感染症への治療費を上回る費用がかかる可能性がある。例えば、低体重児が生まれた場合の治療費は6000ドル(約72万円)、新生児肺炎の治療費は3695ドル(約44万円)、骨盤内炎症性疾患の治療費は3636ドル(約44万円)となる。
もっと検査を
クラミジアの感染率を踏まえて医療費へのインパクトも見積もっている。
感染率が3%の場合でも、全員に対するクラミジア検査は、費用に見合う効果が出せると計算できたと説明する。さらに、感染率が11%以上であれば、国の医療費削減にまでつながっていた。
今回の調査結果は、国の現行ガイドラインを支持するものとなっている。研究グループは、より多くの産科でクラミジア検査を実施すべきだと主張している。
日本では個人の負担の仕組みは異なりそのまま受け取れないながらも、クラミジア感染を起こしている妊婦は多いので同じように問題になっている。一般に、妊娠中期の検診でクラミジア検査が行われているのは好ましい。妊娠していなくても、予定があるならば、一度検査をしてみても良いかもしれない。
引用元:
「16歳から25歳の全妊婦にクラミジア検査を」、費用に見合う効果ありと報告(Medエッジ)