妊娠中の女性に出産前の不安を和らげてもらおうと、大阪市旭区が4月から市内初の取り組みとなる「マタニティカフェ」を開催している。同時期に出産を控える「ママ友」探しのみならず、保健師や助産師、出産を経た先輩ママとの交流もできるとあって参加者からは「子育ての悩みを相談でき、いい気分転換にもなる」と好評だ。 「24時間子供と向き合い、自分の時間がなくなるのが不安です」

 7月中旬に同区の保健福祉センター分館で開催されたマタニティカフェで、出産を間近に控えた女性が不安を打ち明けた。「息つく間もないのは短い期間だけよ。子育てを楽しんで」。先輩ママや助産師らに励まされ、笑顔に変わった。

 マタニティカフェは比較的体調が安定する妊娠5カ月から9カ月の区民の妊婦が対象で、ボランティアの女性らとパンケーキを作って食べながら会話を楽しむ。生後3カ月までの赤ちゃんがいる先輩ママも途中から飛び入り参加し、赤ちゃんの抱き方を教わったり、出産直後の様子などを聞いたりすることもできるという。

 カフェを企画したきっかけは、区内で行ったアンケートなどで「仕事を辞めたりして社会から孤立しがちな産前に支援がほしかった」という声があったことだった。同区は、高齢者の割合が市内でも特に高く、子育て支援に力を入れることで若い世帯を呼び込む狙いもある。

 実際には出産間際まで働き続ける人も多く、毎回、参加人数は予想より少ないが、同区保健福祉センターの保健師でカフェを企画した江川裕子さん(39)は「カフェはあくまで子育て支援の入り口。情報交換や仲間作りの場として活動を展開したい」と意気込む。6月末に同市淀川区から転入した会社員、福永恵理さん(31)は10月下旬に次男を出産予定でカフェに参加。「引っ越しと長男の育児休職が重なり、不安もあった。産前から支援を受けられてほっとしています」と話していた。

 マタニティカフェは毎月第3水曜の午前10〜11時半、旭区森小路の保健福祉センター分館で開催しており、今月は16日に行う。14日まで申し込みを受け付けている。問い合わせは保健福祉センター(電)06・6957・9968。


引用元:
ママになる不安相談して 大阪市旭区が「マタニティカフェ」(産経新聞)