発達障害者を支援する名古屋市西区のNPO法人が、子育てに悩む保護者らのための講習を全国に広げる取り組みを続けている。子どもの行動をほめることで成功体験を重視し、子どもと前向きに向き合う好循環を生み出す試みだ。

 「家で気づいたことをどんどん挙げて」。名古屋市内の会議室。中京大の辻井正次教授(臨床発達心理学)の問いかけに、母親らが2人一組になり、子どもとの日常で気づいた点をメモする。辻井教授が代表のNPO法人「アスペ・エルデの会」が主催する講習「ペアレントプログラム」だ。

 この日は13人が参加。困りごとばかりこぼす参加者も、子どもとの向き合い方を教わり、実践するうちに前向きになる。

 5歳の男の子の母親(45)は「本人なりに努力していることが分かったし、頭の中が整理できて感情をコントロールできるようになりました」と話した。

 変化を導くポイントは「行動でとらえること」。「だらしがない」と言う代わりに「服を脱ぎっぱなしにする」などと、行動の問題点を子どもに理解しやすくする。そして、「ほめること」。子どもにとって苦手なことでも、努力することをほめ、「次もできる」という気持ちにさせる。成功体験を重ねることで、気持ちを落ち着かせ、次のステップへの意欲を持たせる効果があるという。


引用元:
発達障害、向き合い方は