産後のお母さんの多くに見られる腱鞘炎ですが、かなり強い痛みがあり、困っている人も多いのではないでしょうか?
腱鞘炎は、ちょっとしたコツを知れば、予防することができます。手首の構造を知り、どうして腱鞘炎になるのか、手をどのように使えば腱鞘炎を回避できるかを考えていきましょう。


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腱鞘炎が起こる仕組み
腱鞘炎になると、ある角度で手に負荷をかけると電気が走るようなビビッという痛みが走ります。とても嫌な痛みです。まずは、この、嫌な腱鞘炎がどのようにして起こるのかを説明します。

そもそも筋肉は、太い筋腹(きんふく)と腱(骨とつながるところ)からできています。指や手首を動かす筋肉は、約20本。その多くは肘の骨から始まり、手首を通って、指先に伸びています。


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これらの筋肉は、しっかりと働くよう、たとえばリストバンドのような構造(屈筋・伸筋支帯)で手首に固定されていたり、指が滑らかに動くように「腱鞘」という腱が通るトンネルを通っていたりします。

過度な負荷がかかるなど、使い過ぎにより腱が腱鞘の中でこすれ、むくみが起き、圧迫されることがあります。その結果、動かす時に痛みが生じる、それが腱鞘炎です。

簡単に説明すると、こんな感じです。
産後のお母さんは、ホルモンの影響と赤ちゃんを抱っこすることによる「使い過ぎ」というダブルパンチによって腱鞘炎が起こりやすい状況になっています。

腱鞘炎の起こりやすい場所としては親指の付け根が一番多いですが、小指側に発生することもあり、手首周辺であればどこでも腱鞘炎になります。

腱鞘炎の基本的予防法と改善策
では、予防法と改善策をお話ししましょう。
予防の基本は「使い過ぎないこと」です。そして腱鞘炎になってしまったら、「安静にする」のが基本です。

ただ、手首〜指は、体の中でも使用頻度があまりにも多い場所。なので「使わないように」というのは難しい話ですが、炎症は安静にしないとおさまらず、炎症が治まらないと痛みも引かないかもしれません。触ってみて熱を持っている感じがあれば、氷水に手を入れて冷やすと痛みも和らぎます。もしも、あまりにもひどい場合は、医療機関を受診したほうがよいでしょう。


腱鞘炎の痛みを和らげるヒント
実は私自身、腱鞘炎持ちで、今でも使い過ぎると痛みが出てきます。しかし、ちょっと一工夫するだけでずいぶん楽になるものです。今から、そのヒントをお話しします。

手首は手のひら側に曲げることが構造的に得意なので、どうしても手首の内側にストレスがかかりやすくなります。しかも、重い頭や荷物を持つ時には手首を返してしまい、さらに手首内側に負荷がかかります。その手首返しを減らすことが、腱鞘炎の痛みを和らげるためのポイントです。

子どもを抱っこする時は手首の手前に首を乗せ、肘を使って抱き寄せると、腕の大きな筋肉で抱っこすることができるので、手首への負担は回避できます。もしも、子どもが腕のゴツゴツを嫌がるようなら、タオルを巻くとよいでしょう。

また、沐浴やオムツを替える時には、床ではなく、高いところで行いましょう。胸の高さぐらいがいいですね。

「手首を使いすぎてしまった」という時は、肘の周りと手首周りを自分でマッサージしてあげると、筋肉と腱鞘のむくみが効率よく取れます。マッサージをした後は、手を上に上げて、わきの下を伸ばすとさらに効果的です。

すでに腱鞘炎だ!という人には安静が一番ですが、上記のマッサージ+リストバンドをすると、痛みを回避ができます。リストバンドは即効性があるのですが、あくまでもその場しのぎ。長時間していると血行を悪くする恐れがありますので、短時間の使用にしましょう。



引用元:
子供を抱っこして腱鞘炎に! 予防するコツは?(excite)