総務省消防庁の調べによると、今年のお盆の期間(8/10〜16)に熱中症で救急搬送された人数は3989人で、これは去年のおなじ時期の約2倍にあたる数字とのことです。また、5月19日〜8月9日までの期間を見ても、熱中症による救急搬送は4万5793人(暫定値)と、昨年のおなじ時期の救急搬送が3万1181人だったのに対して、1万人以上増加しています。お盆を過ぎて、一旦落ち着いたかにみえる暑さですが、9月もまだ暑い日が予想されています。熱中症での救急搬送が急増する背景には、いったいどのような原因があるのでしょうか?みてみましょう。
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◆熱中症は「急増」している?
環境省の熱中症予防情報サイトによると、熱中症による救急搬送は、猛暑を記録した2010年を境に増加傾向にあり、それに伴い熱中症による死亡事故が増えていることも問題となっています。また、厚生労働省の資料によれば、熱中症による死亡数における65歳以上の高齢者の割合も、1995年の時点では54%だったのに対して、2010年では79%と急増しているとのことです。
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◆もっとも指摘されている増加の原因とは?
熱中症が近年増加している理由としてまずあげられるのが、コンクリートの建築物、アスファルトで舗装された道路の増加や、エアコンや車の排気が原因となって都市部の気温が上昇する「ヒートアイランド現象」です。
また、少子高齢化社会の進行に伴い、抵抗力や体力が低下していて熱中症になりやすく、かつ症状が重篤化しやすい高齢者が増加していることも理由のひとつといえます。
その一方で、熱中症患者が急増した理由として、近年「熱中症」という言葉が世間に認識されたことによる影響を指摘する声もあります。「熱中症」の症状を訴えて救急搬送される人が増えているのは事実ですが、上記のような影響を差し引いた実際の増加率については、正確な判断がしづらいのも実情といえるでしょう。
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◆高齢者だけの問題ではない
熱中症の原因となる「体力や抵抗力の低下」については、なにも高齢者だけに限った話ではなく、子どもや若者、働き盛りの中年世代においても、運動不足や食生活の乱れ、睡眠不足などの不摂生によって体力・抵抗力が低下しているケースはよく見られます。そのような状況に加えて、部活動や運動会、屋外での作業などが「これまでの慣習どおり」暑さの厳しい環境でおこなわれているケースがあり、熱中症を防ぐためには、こうした屋外での活動について時期や時間帯をずらしたり、暑さの激しい日は中止をするなどの対策も求められているといえるでしょう。◆9月も引き続き警戒を!
また、前述の環境省の資料では、屋内における「高齢者の熱中症」が近年増加していることも指摘されており、2013年の調査では、65歳以上の高齢者の場合、男女ともに半数以上が「家にいるときに」熱中症になっていることが判明しています。
熱中症のおもな外的要因は「気温」「湿度」「日射し」の3つといわれていますが、暑さに対する抵抗力の弱い幼児や高齢者の場合は、外出時だけでなく、家にいるときでも「暑さ環境」や水分補給への注意は重要といえるでしょう。
近年では、「残暑の厳しさ」も指摘されています。全国的に朝晩は過ごしやすくなってきたとはいえ、熱中症リスクの高い時期はもう少し続きそうです。こうした時期は、食生活や睡眠などの生活習慣を見直し、体力や抵抗力をつけて乗り切ることも大切といえそうですね。
井澤佑治(いざわ・ゆうじ) ライター/舞踏家/ダンサー
通販メーカーのコピーライターとして、健康食品などの広告を数多く手がけたのちに、ダンサーとして独立。国内外で公演やワークショップ活動を展開しつつ、身体操作や食事療法などさまざまな心身の健康法を探究する。現在はダンスを切り口に、高齢者への体操指導、障がいや精神疾患を持つ人を対象としたセラピー、発達障害児の療育、LGBTの支援などにも携わっている。
引用元:
なぜ熱中症は増加したのか? 「9月もぶり返す暑さに注意!」(Mocosuku Woman)