先天性の脳や脊髄の病気予防のため、野菜などに含まれる栄養素の葉酸を加工食品に添加するように求める要望書を専門医らのグループがまとめ、日本パン工業会など6団体に送った。

 国の対策が進まず、食品メーカーの業界団体に直接訴える行動に出た格好だ。

 葉酸は、母親の体内で胎児の脳や脊髄が作られる過程で欠かせない栄養素。緑黄色野菜やレバーなどに多く含まれる。不足すると、神経が背中から外に露出してまひなどが起こる二分脊椎や、脳がうまく作られない無脳症の原因になる。

 要望書によると、妊娠1か月以上前から妊娠3か月までに1日0・4ミリ・グラム程度の葉酸サプリメントを摂取すれば、こうした病気を減らせる。ただし同じ量の葉酸を通常の食事によって取るのは難しい。

 厚生労働省は2000年、妊娠を望む女性に、サプリメントによる摂取を勧告しているが、十分周知されていない。また予期せぬ妊娠で、摂取の時期を逃す女性も多い。国内では二分脊椎の子どもが生まれる割合は減らず、年間500〜600人が生まれている。一方、米国はじめ82か国では、穀類などに葉酸が添加され、二分脊椎の子どもが生まれる割合は減っているという。

 要望書は脳神経外科医、産婦人科医ら26人が賛同した。

 代表発起人の近藤厚生・熱田リハビリテーション病院副院長は、「本来は、国に

よる添加対策が望ましいが、業界団体への要望が、手っ取り早く、速やかな効果

が期待できるだろう」と話している。



(2015年9月2日 読売新聞)


引用元:
葉酸を添加して…専門医ら食品メーカーに要望「先天性疾患を予防」 (ヨミドクター)