早産で小さく生まれ、新生児集中治療室に入院した赤ちゃんの腸内細菌バランスを調べたところ、生まれた時は赤ちゃんごとに腸内細菌の種類に違いがあったのが、最終的にほぼ同じような腸内細菌が残ると分かった。
未熟児の腸内細菌は?
米国のラッシュ大学メディカルセンターを含む研究グループが、小児胃腸学の専門誌ジャーナル・オブ・ペディアトリック・ガストロエンテロロジー・アンド・ニュートリション誌オンライン版で2015年7月29日に報告した。
最近、腸内細菌のバランスと病気や健康について医学的に注目が集まっており、論文報告も続々と出てきている(腸内細菌に関連したMedエッジ記事はこちら)。
今回研究グループは、早産で未熟児として生まれた12人の赤ちゃんを対象に、新生児集中治療室(NICU)に入院中の生後1カ月間で、腸内細菌バランスがどのように変化するのかについて調査した。
綿棒で菌を取ってDNAを調べた
赤ちゃんはいずれも体重が1500g未満で生まれた「極低出生体重児」。平均体重は1055g、出産時までの平均妊娠期間は28週だった。
生まれた日を初日として、毎週1回、お尻の穴から綿棒を差し込んで腸内細菌を採取した。
採取した腸内細菌からDNAを取り出し、「次世代シーケンシング」という方法で細菌の種類を解析した。ビフィズス菌の量は「定量的PCR」という方法で調べた。
最初はみんなバラバラ
結果、生まれた日には、6〜35種類の細菌が観察された。細菌の種類と分娩方法に関連性は見られなかった。
種類数の平均は、生後1週目には16.9種類だったのが、生後3週から5週には10.7種類になっており、入院日数が経過するにつれ種類が減ると分かった。
種の多様性を表す「シャノン多様度指数(Shannon diversity index)」を比べると、この指数からも、入院日数が経過するにつれ種類が減ったと言えた。出生時に最も低く、生後2週で上がり、生後3週から5週で急激に低下していた。
2週間で共通に、善玉菌はいない
生まれた日には腸内細菌の種類は赤ちゃんごとにバラバラだったが、NICUに入院して2週間以上経つと、おなかに残る腸内細菌の種類がどの赤ちゃんも共通になってくるとも分かった。
主に見られた細菌の種類は、エンテロバクテリア、ブドウ球菌、腸球菌だった。どれも病原性がある菌だ。その一方で、善玉菌のビフィズス菌はほとんど検出されなかった。
最近、早産の赤ちゃんで起こる「壊死性腸炎」に、腸内細菌バランスが関与しているという報告もあった(早産の赤ちゃんで起こる壊死性腸炎 健康な「腸内細菌叢」で予防可能か)。
腸内細菌は環境に影響される。健康な腸内細菌バランスに向けた研究が進みそうだ。
引用元:
同じ病室の赤ちゃんの腸内細菌は数週間でみんな同じ、早産で小さく生まれて入院のとき(Medエッジ)