不妊症の治療にさまざまな方法の生殖補助医療があり、凍結胚移植もそのひとつです。フィンランドの研究班から、生殖補助医療を使わなかった場合や新鮮胚移植と比べて、産まれた子どもの成長に違いがないかを生後3年まで追跡した結果が報告されました。


◆凍結胚移植、新鮮胚移植を検討

研究班は、フィンランド全国にわたる登録データベースから、凍結胚移植によって産まれた子ども1,825人、新鮮胚移植によって産まれた子ども2,933人、自然妊娠で産まれた子ども31,137人の情報を取り出し、生後3年間に入院に至った病気などの頻度について、統計解析を行いました。



◆凍結胚移植と新鮮胚移植には差が見られない

次の結果が得られました。


3年のフォローアップのうち、ほとんどの健康指標は、凍結胚移植で産まれた子どもと新鮮胚移植で産まれた子どもの間で類似していた。退院時の診断で最もよく見られたものには、胃腸炎および大腸炎、耳炎、上気道および下気道疾患、喘息およびアレルギーがあり、生殖補助医療群間で類似していた。

自発的に受胎した妊娠によって産まれた子どもと比較すると、早産を調整しても、生殖補助医療群では入院のリスクはわずかに増加していた(調整オッズ比1.10、1.02-1.19)。

3年間に、凍結胚移植で産まれた子どもと、新鮮胚移植で産まれた子どもの間で、健康の指標に大きな違いが見られませんでした。自然妊娠で産まれた子どもと比較すると、凍結胚移植または新鮮胚移植で産まれた子どもは、入院する場合がわずかに多くなっていました。

研究班は、「この研究は胚凍結保存の安全性についてさらなるエビデンスを与える」と述べています。



生殖補助医療の発達によって、それ以前には妊娠が難しかった夫婦も子どもを持つことができるようになりました。ともなって注意するべき点がどこにあるのか、詳しい情報を積み重ねることで、より安心して使えるようになるかもしれません。


◆参照文献


Physical health of singleton children born after frozen embryo transfer using slow freezing: a 3-year follow-up study.

Hum Reprod. 2015 Aug 20 [Epub ahead of print]

[PMID: 26293785 ]


引用元:
凍結胚移植で産まれた子どもは新鮮胚移植のときと変わらない(MEDLEY)