新米ママの悩みと母親の孤独を取り上げた「母乳ストーリー」(七月三十一日、八月七日)に、読者から多くの反響が寄せられた。母乳が出ずに周囲の言葉に傷ついた経験や、葛藤を乗り越えた人の励ましの声を紹介する。


 愛知県阿久比町の母親(27)は、母乳で悩んだ経験をメールで寄せた。昨年七月に第一子の長男を出産する前から、母乳だけを与える「完全母乳」を目指していた。だが理想と現実は違い、粉ミルクを足さざるを得なかった。


 「母乳で育ててるの?」。ある日、子どもをのぞきこんだ見ず知らずの女性に話し掛けられ、傷ついた。「あげたくてもあげられない人もいる。『母乳?』って気軽に聞かないで」


 四年前に出産した東京都内の母親(39)も「母乳は出せば出る、痛くてもあげなきゃ」との義母の言葉が胸に刺さった。母乳をめぐる母親の不安は夫も知るべきだとして「『母乳ストーリー』はパパも必読」との声を寄せた。


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 「母乳で悩めるのは幸せだ。他に心配がないからこそ」。東京都内の教員の女性(35)は、長男(九カ月)が病気になった時に自分自身に言い聞かせた言葉を、はがきにつづった。


 「すぐに粉ミルクをあげるから、この子は本気でおっぱいを吸ってない」。出産の約三週間後、区の新生児訪問で助産師に言われた。「もっと頑張らないといけないのかな」。罪悪感を感じた。


 一カ月健診の後、長男が飲んだものを大量に吐いたため近所の小児科へ。胃の出口が狭いため、母乳や粉ミルクがうまく流れない病気だとわかり、都立病院で手術した。長男は一週間入院。夜は病院に預けた。


 吐き戻しは以前から気になっていた。だが母乳が足りないことで頭がいっぱいで、健診では医師に相談しなかった。「無事に育てば、おっぱいが出ようが出まいが関係ないのに。もっと早く病気に気付かなくて、ごめんね」。病院にいる長男を思い、涙があふれた。


 九カ月になった長男は今、母乳と粉ミルクに加えて離乳食もたくさん食べる。「『完全母乳』は母乳だけを飲む状態を表す言葉で、目的ではないと思う」。新米ママにそう伝えたい。


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 ベテランママたちからもメールが届いた。中三から五歳まで三男一女を育てる神奈川県逗子市の女性(40)は、「授乳方法は十人十色。深刻にならずミルクを足して」という。


 東京都二カ所と神奈川県一カ所の産婦人科医院で出産。病院によって母乳育児に対する考え方が全く異なると実感した。一人目は粉ミルクをすぐに与える産院で指導はほとんどなく、母乳が出なかった。二人目は母乳指導に力を入れる産院を選んだが、三、四人目は、母乳にこだわり粉ミルクを出さない産院。心身ともに疲れ切ったという。


 「母乳育児の方針で産院を選べるといいが、初産だと情報が少ないし、どこの病院も混んでいてお産の予約も難しい」と指摘する。


 愛知県一宮市の看護師中島優子さん(43)は、高三の長男は粉ミルク、中二の長女と小六の次女は母乳で育てた。「粉ミルクでも母乳でも、お母さんが子どもを思う気持ちは一緒」。記事を読んで新生児のころが懐かしくなり、こう書き添えた。「待ちに待って生まれてきてくれた赤ちゃんの成長や反応を見逃さず、心穏やかに過ごしてほしい」


 (細川暁子)


引用元:
<母乳ストーリー>反響編 子を思う気持ちは一緒(中日新聞)