8月21日、「少子化社会対策大綱の具体化に向けた結婚・子育て支援の重点的取組に関する検討会」が提言をまとめ、提言書を有村治子少子化・女性活躍担当大臣に手渡しました。私も構成員として関わっています。今回は、3月に施行された大綱が具体化されていくときに、重点的に考慮しなければいけない項目を検討しました。

個人個人によって価値観が大きく異なりますので、画一的な方法はお示しできないのですが、大切なのは、状況がよくなるまでその場で立ち止まっているのではなく、現在の状況でも、自分自身に合った何らかの方法で、自ら一歩を進めることだと思います。

その意味でも、若い時期にライフプランを設計していただくことはとても大切です。先にも述べましたように、個人によって価値観が大きく異なりますので、ライフプランは人によってそれぞれです。仕事だけに生きがいを見つけるのもいいでしょう。結婚はしても、子どもはいらないとする人生設計もあります。

しかし、仕事とともに結婚し、子育てもしたいと考えておられる方は、ぜひ妊娠適齢期があることを十分考慮してライフプランを立てていただきたいと思います。

このコラムでも何回か取りあげたように、妊娠出産育児の適齢は20代です。もちろん、この時期は仕事を覚え、キャリアを積む時期でもあります。いかに仕事と家庭を両立していけるかがカギです。自分なりの工夫をすることや行政の両立支援制度をうまく活用することが大切です。

もちろん、制度には不備があります。その不備をそのままにせず、どうぞ、声を上げてください。政府は、現在の社会保障や公共サービスを維持していくうえでも、少子化対策、人口減少問題対策に真剣に取り組んでいます。みなさんの現場の声が大事です。

生涯のうちで家庭を持ちたいと思う方のライフプランを三つ考えてみました。







家庭の外での仕事はどのプランにもあるので、これは省略して、家庭内での出来事に関し年齢を軸に考えてみました。私は多くの大学で就職活動を始める若い方々に、妊娠適齢期のお話をしていますが、その際に、このライフプランの図を示し、ライフプランには親の介護も考慮するべきことをお話ししています。それは、会社で管理職になられた方でも親の介護のために退職される方も多くおり、当然、家庭での仕事にも親の介護は大きな影響を及ぼすことが推測できるからです。

第一のプランは20歳代での出産と育児・教育です。このプランですと、親はまだ若く、まだ50歳前後だと考えられ、子育て・教育などにも支援してもらえる可能性があります。しかし、第三のプランですと、出産・育児・教育と親の介護が同時に始まる可能性もあります。

第2子、第3子を考える方であれば、本人の体力や健康面からも、やはり第一のプランを基本にされたほうがよいと思います。

個人のライフプランですので、ご自分が納得いくプランでなければなりません。ただ、妊娠・出産には適齢期があるので、できる限り、早い時期に考えていただくことをお勧めします。また、一度決めても、人生には何が起こるかわからないのですから、いつでも修正はできます。常に、本人にとってベストなプランに書き換えて歩んでいただければと思います。


引用元:
妊娠適齢期とライフプラン(朝日新聞)