済生会兵庫県病院(神戸市北区)が、国連児童基金(ユニセフ)と世界保健機関(WHO)が認定する「赤ちゃんにやさしい病院」に選ばれた。母乳育児の推進を中心に、母子の健全な成長を支えようと行ってきた取り組みが評価された。関係者は「今後は地域の拠点として、活動の幅を広げていきたい」と話している。

 1989年、ユニセフとWHOが「全ての妊婦に母乳育児の良い点とその方法をよく知らせる」など、母乳育児の保護・促進を呼び掛ける「母乳育児成功のための10カ条」を制定。実践する産科施設を「Baby Friendly Hospital(BFH、赤ちゃんにやさしい病院)」として認定してきた。世界134カ国で約1万5千施設、日本国内では8月18日現在72施設が認定されている。兵庫県内ではパルモア病院(神戸市中央区)、加古川西市民病院、国立病院機構神戸医療センター(神戸市須磨区)、赤穂市民病院−に続き、済生会兵庫県病院が5番目。

 同病院は2001年、産科・小児科を備え、周産期の高度な医療を提供できる地域周産期母子医療センターの認定を受けた。05年には院独自の「母乳育児支援委員会」を発足。産婦人科の病床数を増やし、産婦人科・小児科が協力して妊娠、出産、退院後と、継続的に母子の健康を支えてきた。

 「母乳が出にくい人もいる。何が何でも母乳を、というのではなく、母親の意見を尊重しながら潜在能力を最大限発揮できるよう手助けするのがわれわれの役目」と助産師主任の伊藤直美さん(47)。入院中の母親におっぱいの吸わせ方などを指導するほか、退院後も母乳外来での相談や家庭訪問を行い、バックアップしている。

 地域周産期母子医療センター長の狐塚善樹副院長(64)は「母乳育児を軸に母子関係を見直すことで、児童虐待の防止・早期発見にもつながっていく」と説明。「今後は保健所などとも協力して勉強会などを開き、地域に活動の輪を広げていきたい」と話している。

(片岡達美)


引用元:
「赤ちゃんにやさしい病院」に済生会兵庫県病院 ユニセフなど認定U(神戸新聞)