母親が妊娠10週目までにうまく栄養を取れなかった場合、子どものDNAに変化が起こるようだ。
子どもが成長して、59歳に至っても影響が残っていた。
妊娠10週までの影響を見る
米国コロンビア大学メールマン公衆衛生学部のランバート・ルメイ氏らの研究グループが、疫学の国際誌であるインターナショナル・ジャーナル・オブ・エピデミオロジー誌オンライン版で2015年5月5日に報告したもの。
研究グループは、1944年から1945年にオランダで起きた飢饉の間に、1日に食べる食事のカロリーが900キロカロリー以下にとどまった影響を調べている。
1945年2月から1946年3月までに生まれた人で、母親の妊娠中に栄養不足を経験した422人と、同じ母親から栄養不足を経験せずに生まれた兄弟姉妹の463人を対象として血液を比べた。59歳時点でも影響があるかを見ている。
調べたのは、DNAの「メチル化」。遺伝子のオンオフを調節する仕組みだ。メチル化の状態が変わると、成長をはじめ体の機能にも影響が出る。
成長や代謝に関係する遺伝子に変化
妊娠10週目までの栄養失調とDNAのメチル化に関連を確認した。成長や代謝に関連する遺伝子の働きが59歳の時点でも抑えられているという結果となった。
10週目以降でも、飢饉が最もひどかった1945年3月から5月に栄養不足を経験した人も、DNAメチル化の変化が見られた。
妊娠10週目までは特に影響を受けやすいと、研究グループは見ている。
妊娠しているとすら気付いていない時期でもある。
寿命への影響報告も
研究グループによると、過去の研究では4万5千人を対象として、母親が妊娠3カ月までに栄養不足を経験すると、63歳時点での死亡率が10%高まるという結果も出ていた。
さらに研究グループは、肥満や糖尿病のリスクに影響を及ぶすかについて研究を進めているという。
妊娠中の強い食事制限の影響は重い。
引用元:
妊娠10週までに母親が栄養不足、子どもが成長して59歳になっても遺伝子に影響残る(Medエッジ)