「リンチ症候群」と呼ばれる遺伝的にがんになりやすい背景を持つ女性の場合に、避妊薬を飲んだり、出産を経験したりすると、子宮がんのリスクを下げられると分かった。

従来、子宮摘出が予防の道

 オーストラリア、メルボルン大学のアウン・コーウェン氏らの研究グループが、ジャマ(JAMA)誌において2015年7月8日に報告している。

 リンチ症候群の女性は、その遺伝子変異のためにがんの発症リスクが高くなる。研究グループによると、少なくとも千人中1人の女性は、リンチ症候群に関連する遺伝子変異を持っているという。

 リンチ症候群の女性の中から子宮がんを発症しやすい人を特定するための情報はほとんどなかった。なお、専門的には、「子宮体がん」あるいは「子宮内膜がん」というがんとなる。 ライフスタイルやホルモン因子によってリスクが変わるかもよく分かっておらず、病気を防ぐ唯一の方法は子宮の摘出だけだった。

 研究グループは、リンチ症候群の変異を持つ女性1128人を対象としてリスクと関連する条件について検証した。

2人以上の出産でリスクはさらに低く

 子どもを1人産んだ女性は、子どもを産んでいない人と比べて、子宮がんのリスクが60%減少すると分かった。

 2人以上を産んでいるとリスクはさらに低くなっていた。

 リンチ症候群の女性のうち、避妊薬を少なくとも1年以上飲んでいた人は、飲んでいなかった人と比べて、子宮がんの発症リスクが半分に下がっていた。避妊薬はホルモンを使ったもので、経口避妊薬、注射、インプラント、子宮内避妊具。

 リンチ症候群の人はまれではないとも見られ、注意が必要だろう。


引用元:
出産と避妊薬が子宮がんリスクを下げる、「リンチ症候群」の女性で検証(Medエッジ)