おととしまでの2年間で、妊娠中に母親が風疹にかかったことが原因で障害をおった赤ちゃん45人のうち、少なくとも7人が死亡していたことが、国立感染症研究所などの調査で分かりました。専門家は「ワクチン接種を徹底し、風疹をなくすことが重要だ」と指摘しています。

風疹は、妊娠初期の女性が感染すると生まれてくる赤ちゃんの耳や目、心臓などに障害が出る「先天性風疹症候群」になるおそれがあり、平成24年から25年にかけて大人の間で風疹が流行した際には、45人の赤ちゃんが先天性風疹症候群になったと報告されています。
今回、国立感染症研究所などの研究グループが、このうちの21人について、その後の経過を詳しく調査したところ、生後5か月までに7人が、肺炎や呼吸不全、それに心筋炎などを起こして死亡していたことが分かりました。
また、どんな障害があるかについて調べたところ、70%以上の赤ちゃんで難聴や心臓の疾患が、また、およそ20%で白内障があったほか、肝機能や精神発達の障害などもあったということです。
調査を行った国立感染症研究所感染症疫学センターの砂川富正室長は「先天性風疹症候群は赤ちゃんに非常に重篤な症状をもたらすことが分かった。風疹の流行をなくすことが重要で、ワクチン接種の徹底が必要だ」と話しています。

引用元:
妊娠中に母親が風疹 障害の乳児7人死亡(NHKニュース)