猛烈な暑さが続いています。

熱中症を予防するため、水分補給はもちろん大切ですが、外出は少しでも涼しい時間帯にして、どうしても出かける際には暑さ対策をしっかりとしてあげてください。

さて、我々小児科医は時に、子どもたちから嫌われるようなことをしなければいけない場面があります。

たとえば、発熱をしている時に、予定していた外出や旅行を控えるように伝える時。
本来、これは医者の仕事ではなくて、親御さんがお子さんに説明して、説得してほしいのですが。「ほら、先生がダメって言ったでしょ」とか。

血液検査のために採血をする時。
どうしても必要な検査であればやむを得ないのですが、必要性は低いのに、親御さんの強引な希望で採血をする時があります。
嫌がって泣き叫ぶお子さんに対して、「先生は必要ないって言ったけど、お母さんがどうしてもって言ったんだよ」と言いたくもなります。

また、予防注射の時にも。
お子さんがかわいそうだと思うんでしょうね。親御さんはよく「痛くないから大丈夫だよ」と話しかけます。
これ、うそですよね。注射は痛いんです。
うそは絶対いけませんと、ふだん、教えていませんか。

そして、注射が終わると、「痛かったね。かわいそうだったね」と子どもを慰めます。
確かに、痛いし、かわいそうだけど、実際に注射をした医者が責められている気分になります。

仕事ではありますが、こちらも子どもに嫌なことをするのは気がひけるのです。
小児科医はこんなことも考えながら、診療しています。


引用元:
小児科医を悪者にしないで!(朝日新聞)