生まれたばかりのネズミにカフェインを投与すると、食道下部の括約筋と胃腸の運動機能を弱体化させると分かった。

 早産の赤ちゃんで無呼吸の治療にカフェインを使われる場合があり注意が必要かもしれない。

カフェインは早産児の呼吸を促す

 カナダのトロント小児病院を含む研究グループが、小児科分野の国際誌ペディアトリクス・リサーチ2015年7月号で報告した。

 早産で生まれた赤ちゃんは、肺が十分に発達しておらず、無呼吸となってしまう場合がある。無呼吸発作の治療には、多くの場合カフェインが使用され、呼吸を促すのに安全で効果的であると考えられてきた(早産では出産直後にカフェインが効く、赤ちゃんの窒息予防に有効、生後2日目以内でもを参照)。

 一方で、研究グループによると、早産の赤ちゃんは栄養をうまく取れないことがよくある。カフェインが投与された場合に、食道下部の筋肉の動きを弱めると分かっており、カフェインが新生児の胃腸機能に副作用を及ぼしている可能性についてこのたび検証している。

生まれたばかりのネズミを使った調査

 研究グループは、大人のネズミと生まれたばかりの赤ちゃんネズミを使って、食道下部、胃の入口付近と出口付近に注目。さらに、小腸と大腸の筋肉も含めて、筋力と弛緩反応にカフェインが及ぼす影響を調べた。

 生まれたばかりのネズミでは、体重1kg当たりカフェイン10mgの割合でおなかに注入した場合の胃の内容物の排出速度変化を、絶食3時間後に調べた。

カフェインで筋肉の動きが弱まって消化不良に

 結果として、大人と赤ちゃんのどちらのネズミの体内においても、カフェインは収縮していた食道下部の括約筋、胃の入口付近の筋肉を弛緩させ、胃と腸の筋肉の収縮を抑えた。胃の運動機能が不十分となり、生まれたばかりのネズミでは胃の内容物が消化されるスピードが遅くなってしまった。

 カフェインの筋肉に与える効果は年齢とは関係なく引き起こされること、筋収縮に関与するリアノジン受容体が関与していることなども分かった。

人間でも影響?

 今回ネズミに使用されたカフェインは、生まれたばかりの人間の赤ちゃんに使用される量に比較換算した量が投与されていた。

 今後、栄養をうまく取れない早産の赤ちゃんで、カフェインが影響を及ぼしている可能性について、さらに研究する必要がある。

文献情報

Welsh C et al. Caffeine impairs gastrointestinal function in newborn rats. Pediatr Res. 2015 Jul;78:24-8.
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/25806715


引用元:
早産で使われるカフェインは胃腸に悪影響か、栄養が取れない原因かもしれない 無呼吸治療で一般的に使用、動物実験で確認(Medエッジ)