県は少子化対策の一環で、サンリオの代表キャラクター「ハローキティ」を子育て支援活動を行うさまざまな団体の応援キャラクターに起用し、後藤斎知事が30日、ハローキティを“子育て支援隊スペシャルコーディネーター”役に任命した。子育てを周囲が支援し、子育てが楽しくなる社会環境を作り上げるイメージ効果を狙っている。

 県庁で同日、任命式が行われた。後藤知事は「子育てを多くの人、団体が支援している。支援の輪が広がり、ネットワークが強化されることを期待している」と語った。

 人口減少対策を担当している新井ゆたか副知事から「子育て支援隊」のたすきを受け取ったハローキティは大役にちょっぴり緊張したしぐさを見せた。新井副知事は「子育てが楽しいというイメージをアピールするには子育て支援の機運醸成が求められる。ハローキティのキャラクター性を生かして、各地域の子育てを見守る活発な動きを引き出したい」と話した。

 県子育て支援課によると、朝夕の登下校時に児童を見守る各地域のボランティアや子育て中の母親の相談に応じる人たちなど、地域で子育て支援活動を行っている個人、団体を「子育て支援隊」と位置付けている。実働組織に「やまなし子育て応援ネットワークはぴはぴ」(やまはぴ)がある。

 やまはぴ世話人の星合深妃(ほしあいみき)代表は「地域における子育て支援の取り組みに温度差がある。県全体の支援力の底上げを図りたい。ハローキティを応援キャラクターに新たな支援のアクションを共有できる環境を作りたい」と話した。

 8月2日午前10時からは、かいてらす(甲府市東光寺)で支援団体が交流セミナーを開く。

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 ■「べんり帳」市町村窓口で配布

 県は妊娠・出産から子育て期を通じて、親が困ったときに便利な情報をまとめた「やまなし子育てべんり帳」(A6判、カラー20ページ)=写真=を発行して、6歳未満の子供を持つ家庭を対象に、希望者に市町村の子育て支援窓口で配布している。

 べんり帳は母子健康手帳に挟んでバッグに入るサイズ。これまでの「子育てハンドブック」はA4判で、外出時持ち歩くのには不便だった。べんり帳の内容はハンドブックからセレクトし新たな情報も掲載した。

 「妊娠したら」「赤ちゃんが生まれたら」「乳幼児の健康診断」「予防接種」などの項目が子供の成長に合わせて並べられ、0歳から4歳ごろまでに起きやすい事故、応急手当てや救急車の利用方法を紹介している。「おでかけ時の(持ち物)チェックリスト」や「パパの子育て応援」などのほか、「子育てを1人で悩まないで!」では相談機関が列記され、災害時に子供を守る手法、安否確認、インターネットや携帯電話を使った伝言板システムなども紹介。1人親となった場合の支援機関一覧や、最終ページでは「ママに何かあったら、ここに電話してください」と万一の連絡先を記入するようになっている。


引用元:
子育てを楽しめる社会へ ハローキティが支援団体応援キャラに 山梨(産経新聞)