死産を経験した女性は、次に死産を経験するリスクが4倍に高まると分かった。

 スコットランド、アバディーン大学のソヒニー・バタチャルヤ氏らの研究グループが、BMJ誌において2015年6月24日に報告している。

死産は先進国では減っているが大きな問題
 死産率は欧州全体では減っているが、英国では依然として大きな問題となっている。英国での死産は2013年には3286件にまでのぼるという。

 夫婦にとって死産はトラウマ的な出来事だ。なぜ死産となったのか、これから先の妊娠にリスクがないのかについて知りたいと訴える夫婦が多い。

 しかし、これまでの死産に関して十分に解析されておらず、予防につながる情報がなかった。

次の妊娠時におけるリスクを計算
 研究グループは、一度目の妊娠での死産と、次の妊娠での死産リスクについて関連性を検証した。

 オーストラリア、スコットランド、米国、デンマーク、イスラエル、オランダ、ノルウェー、スウェーデンという高所得国で行われた13件のコホート研究と3件の症例対照研究が分析された。

 対象とされた女性は341万2079人で、そのうち99.3%に当たる338万7538人が最初の妊娠で生きた状態の赤ちゃんを出産し、0.7%にあたる2万4541人は最初の妊娠が死産だった。

 次の妊娠で死産を経験したのは合計で1万4283人。この中で、最初の妊娠が死産だった2万4541人のうち2.5%に当たる606人、前回が生きた赤ちゃんを産んでいた338万7538人のうち0.4%にあたる1万3677人だった。

 母親の年齢、妊娠中の喫煙、貧困レベルのような要因で調整したところ、最初の妊娠で死産を経験している人が2回目の妊娠で死産を経験するリスクは、死産を経験していない人の4倍に高まるという結果になった。

死産を経験した人にはカウンセリングなどのケアを
 研究グループは、死産を経験した女性に対しては、カウンセリングなどによってさまざまなアドバイスが提供されるべきだと見る。

 リスクを少しでも減らすため、次の妊娠時の死産リスクにつながるような、禁煙や肥満解消といったライフスタイル指導なども必要とされるだろう。

文献情報
Women have up to a fourfold increase in risk of stillbirth following a previous stillbirth
http://www.bmj.com/company/wp-content/uploads/2015/06/sitllbirth.pdf

Lamont K et al. Risk of recurrent stillbirth: systematic review and meta-analysis. BMJ. 2015 Jun 24;350:h3080.
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/26109551





引用元:
最初の妊娠で死産を経験すると、次の出産も死産になりやすい (Medエッジ)