更年期症状を抑えるために飲まれる、「選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)」として知られる抗うつ薬は、骨折のリスクを高める可能性があると分かった。

更年期の症状でも処方されることの多い抗うつ薬
 米国ハーバード大学をはじめとする研究グループが、外傷分野の専門誌インジャリー・プリベンション誌において2015年6月25日に報告している。

 研究グループによると、抗うつ薬である選択的セロトニン再取り込み阻害薬はごく一般的な薬で、精神的な病気でない場合にも処方されることが多い。

 例えば、過敏性腸症候群、ほてり、寝汗など更年期に関連する症状には、ホルモン補充療法に代わって選択的セロトニン再取り込み阻害薬が有効であると考えられている。

 これまでに、うつと骨折には関連があることが報告されているが、選択的セロトニン再取り込み阻害薬の副作用である可能性については明らかではない(高齢者のうつが骨に有害か、薬の影響も含めて19研究を分析を参照)。

リスクの高さは数年間続く
 研究グループは、40歳から60歳までの、選択的セロトニン再取り込み薬で治療を受けた精神的な疾患ではない女性13万人以上の治療データを調査し、骨折との関係を調べた。

 その結果、骨折率は選択的セロトニン再取り込み阻害薬で治療を受けていた女性の方が明らかに高く、消化不良薬で治療を受けた女性と比べて、治療開始後で76%、2年後で73%、5年後で67%高かった。

治療を短くすることが好ましい
 この研究はまだ観察結果であり、結果の関連性を確定するものではないとしながらも、以前に抗うつ薬は骨の代謝を変え、バランスを変えてしまうことにより骨を細くしてしまう可能性がある、という指摘が発表されており、その仮説と一致していると研究グループは考えている。

 また、選択的セロトニン再取り込み薬による骨折リスクは数年維持されることも明らかになり、長期間飲み続けないように、治療を短くすることが好ましいという。

 とはいえ、止むに止まれず飲んでいる人もいるだろう。お薬を飲む量を減らした場合、骨折リスクが変わるのかについて明らかにされる必要がある。

文献情報
SSRI antidepressants taken for menopausal symptoms may boost bone fracture risk
http://www.bmj.com/company/wp-content/uploads/2014/07/SSRI-bone-fracture.pdf




引用元:
更年期障害の治療薬で骨折のリスクが高まってしまうことも、長期的な治療には注意が必要(Medエッジ)