少子化対策の一つとして北海道砂川市が独自に取り組む「陣痛タクシー」の営業が8月から順次、始まる。

 陣痛が始まった妊婦が病院に向かう際、気軽にタクシーが利用できるようになる。市は27日、協力してもらう市内のタクシー会社3社と協定を結んだ。この日は、タクシー運転手ら13人が妊婦への対応を学ぶ研修会も行った。

 陣痛が始まっても、破水時などの緊急な場合以外、救急車は利用できないが、タクシーを利用しようとしても、運転手が対応の仕方を知らないことから断られるケースもあった。

 陣痛タクシーは、万一に備えて、バスタオルや防水シート、ゴム手袋などを用意する。運転手には妊婦搬送時の注意点や破水時の対応などの研修を受けてもらう。妊婦は事前にタクシー会社に登録し、陣痛が始まった時に電話で連絡する。タクシー会社は優先して配車する。

 料金は通常のタクシー料金と同じで自己負担となるが、バスタオルなどの備品は市が提供する。台数は3社合わせて34台で、順次、すべてのタクシーを「陣痛」対応にする方針だ。

 夜間はタクシーの台数も大きく減るため、すぐに配車できないといった課題も考えられるが、タクシー会社側も別の会社に頼むなど柔軟に対応していく考えだ。

 協定締結式で、タクシー会社の代表者たちは「最初から全ての車は無理だが、全車を陣痛タクシーにしたい」と話し、善岡雅文市長は「市民から陣痛時にタクシーが使えると安心して病院に行けるという声を聞き、何とか実現させたかった。これを機に、子どもから高齢者まで安心して住めるまちを目指したい」と語った。


引用元:
陣痛タクシー開始へ…妊婦対応の運転手、備品も(読売新聞)