Q 53歳の女性です。12年前、乳がんステージIで乳房温存手術と放射線治療を行いました。がんの大きさは2センチ、ホルモン受容体は陰性で、HER2は3+のHER2陽性型でした。6年後、肝臓と胸骨に転移が見つかりました。タキソールとハーセプチンとゾメタの抗がん剤治療を5クール行った後のCT(コンピューター断層撮影)検査で、転移は消えていました。消失後もハーセプチンとゾメタによる治療は継続しました。2年後、胸骨の転移が再び出現したため、放射線治療を追加し、軽快しています。その2年後、胸と胸の間の皮膚に転移が出現し、ドセタキセルを8クール行い、よくなりました。継続中のハーセプチンとゾメタ(途中ランマークに変更)にパージェタを追加して治療しています。最近、皮膚転移が再び大きくなってきたので切除手術をすることになっています。今後も皮膚に出てきたらまた切除手術を考えるそうです。これでいいでしょうか。また、次に使える薬はありますか。

A 基本的な対応の仕方として、皮膚の転移が単発で他の内臓の転移がはっきりしないのなら、手術で切除する方法も一つの選択肢と思います。転移のたびに薬を変えて治療すると、内臓が悪くなったときに使うことができる薬が無くなってしまいます。薬は無尽蔵にあるわけではありませんので、手術や放射腺、ホルモンなどを上手に使って、なるべく楽な治療で引き延ばしていければいいと思います。切除後にハーセプチンとパージェタだけで維持していくことができれば、比較的副作用が少ないので楽だと思います。次に使える薬としてカドサイラという分子標的薬に抗がん剤を組み合わせた薬があります。

 Q 経過観察はどのように?

 A 定期的にCTや骨シンチグラフィーで転移状況をチェックすることが必要です。

                   ◇

 回答には、がん研有明病院の岩瀬拓士乳腺外科部長があたりました。カウンセラーによる「がん電話相談」(協力:がん研究会、アフラック=アメリカンファミリー生命保険会社、産経新聞社)は、(電)03・5531・0110。月〜木曜日(祝日は除く)午前11時〜午後3時。相談が本欄に掲載されることがあります。


引用元:
乳がん 乳房温存手術後、再発の治療法は?(産経ニュース)