全日本病院協会(全日病、西澤寛俊会長)は20日、10月にスタートする特定行為にかかわる看護師の研修制度に向けた「看護師特定行為研修指導者講習会」を開催した。講演した厚生労働省医政局の岩澤和子看護課長は「研修を受ける看護師を増やすには、多くの指定研修機関、指導者が必要になる」と述べた上で、指導者講習会への積極的な参加を呼び掛けた。【君塚靖】

 岩澤課長はまた、「チーム医療を推進する上で、看護師に期待されることを担保するのが、特定行為にかかわる研修制度。2025年に向けて2ケタ万人、最低でも10万人には、この研修を受けていただきたい。これくらい増えれば、医療現場に貢献できると思っている」との見解を示した。

 この講習会は、厚労省の15年度「看護師の特定行為に係る指導者育成事業」を全日病が受託した。講習会の開催に当たり西澤会長があいさつし、「皆様が看護師の特定行為にかかわる医療現場で活躍していただくことを願っている」と述べた。全日病は今後、年度内に全国7か所で開催する。

 20日の講習会には、医師のほか、厚労省が10年度から14年度までに実施した特定行為に関するモデル事業に参加した看護師らも集まった。講習会では、制度の解説などの講演だけではなく、参加者がテーブルごとに分かれ、テーマを設定して議論するグループワークも行われた。

 グループワークの発表会では、「(特定行為ができることにより)看護師が『ミニ・ドクター』になるのではなく、より看護の視点やアイデンティティーを大事にすることが重要で、それを通じて、チーム医療の中でコアなメンバーになることができる」「この制度で、看護師が病院と在宅の架け橋になり、多職種の連携を強化することが大事になる」などの意見が出た。



引用元:
特定行為指導者講習がスタート- 厚労省・岩澤看護課長、参加を呼び掛け(キャリアブレイン)