今回、当センターの特徴としてお話しすることは、卵胞発育の評価のためにホルモン検査を頻回行っていることです。卵胞発育刺激を行っているときは、さらに頻回にホルモン検査をしています。そのぐらい、卵胞の発育を評価するは難しいのです。
みなさんは、自然周期において、女性の月経に関わるホルモン(卵胞刺激ホルモン(FSH)、黄体化ホルモン(LH)、エストラジオール(女性ホルモン)、黄体ホルモン)が月経周期に応じて大きく変化しているグラフを見たことがあると思います。
そうなのです。自然周期においても大きく変化するのですから、排卵誘発刺激のためにいろいろな薬を使うともっと変化することが容易に推測できると思います。ですので、体外受精などの際には、何回も採血を行いホルモン値からも卵胞の発育程度を評価しています。
体外受精の際に、卵胞の大きさを超音波で頻回測定していると思います。卵胞の大きさは、確かに卵胞の成熟を評価する一つの指標です。しかし、卵胞の評価をするには、一つよりももっと多いほうが、より正確に評価できると思っています。特に、いろいろなお薬を使うと、ホルモンは大きく変化するのでその変化を正確にとらえることが大切です。さらに、年齢が高い人ほどさまざまな変化をするときがあります。この理由から、私たちは積極的に何回も採血し、ホルモン値を含め卵胞の成熟を評価しているのです。
クロミッドを使用したことがある方もおられると思います。このホルモンは卵胞の発育を刺激するホルモンですが、このホルモンを同じ量服用しても反応は人によってさまざまです。
このホルモンを服用すると、下垂体からFSHが増加します。しかし、この増加率は人によってかなり異なります。このFSHがちょうどよく上昇すると、卵胞の発育を刺激します。しかし上昇しすぎると、かえって卵胞の発育を抑制する場合があります。
また、GnRHアンタゴニスト、これは難しい名前のホルモンですが、すでに使われている方は「あのホルモンね」とピンとくると思います。このGnRHアンタゴニストを使うときも、その使用前後で採血は欠かせません。
このホルモンは排卵を誘起するLHホルモンが頭から過度に放出されないように調節するホルモンですが、LHが抑えられすぎると卵胞の発育も抑えられます。ですので、卵胞を健全に発育させるには、これらのホルモンを測定しながら、投与する薬の量を適宜変えていくことが、とても大切になります。
わたしたちは、卵胞の大きさと血中のホルモンを測定することにより正確な卵胞発育の評価を行い、体外受精の成績の向上に努めています。


引用元:
国立成育医療研究センターの不妊治療の特徴D (apital)