臍帯ミルキングは帝王切開で生まれた早産の赤ちゃんにとって血液量を増やすために有効な方法であることが分かった。
米カリフォルニアのシャープ・メリー・バーチ病院のアナップ・C・カテリア氏らの研究グループが、ペディアトリクス誌において2015年7月1日に報告している。
へその緒の血液を活用する
生まれた後、へその緒を切るタイミングを遅らせる「遅延臍帯結紮(ちえんさいたいけっさつ)」は、早産児の血液量が増えるとされ、推奨されている。臍帯とはへその緒のこと。正常に生まれた場合であっても、生後数日間の成長が良いことが報告されている(「へその緒を切るのは2分遅らせよ」赤ちゃんが育つを参照)。さらには、成長してからの健康にもつながると分かってきている(へその緒を切るのを2、3分遅らせよ、4歳のときの運動能力と社会性評価が高まると確認を参照)。
臍帯血は白血病の治療で使われるほど、血液のもとになる造血幹細胞が多いと知られている。
早産児は帝王切開で生まれることが多く、この場合には、経膣分娩の場合と比べると胎盤から血液を受け取る効果が低いとも見られている。
中身を搾って送り込む
研究グループは「臍帯(さいたい)ミルキング」という方法に着目した。ミルキングとは、牛の搾乳(ミルクしぼり)のように中身を絞るイメージ。手でへその緒の中の血液を絞りながら赤ちゃんに送るという方法だ。
研究グループは、32週未満で帝王切開によって産まれ、「臍帯ミルキング」や「遅延臍帯結紮」を受けた赤ちゃんを対象として、血液量を調べた。
血圧や尿量にも好影響
「臍帯ミルキング」か「遅延臍帯結紮」が行われた赤ちゃんについて、生まれた後の血流量や、血圧、ヘモグロビン量、尿量が調べられた。臍帯ミルキングはミルキングが4回、遅延臍帯結紮は45秒から60秒を遅らせた。
研究に登録された赤ちゃんのうち、帝王切開で生まれたのは154人で、75人は「臍帯ミルキング」、79人は「遅延臍帯結紮」を受けた。経膣分娩で生まれた赤ちゃんも同じように調べられた。
帝王切開で生まれた赤ちゃんのうち、臍帯ミルキングを受けた赤ちゃんの方が、生後12時間における大静脈血流量と右心室からの血液量が多かった。生後15時間においても、臍帯ミルキングを受けた赤ちゃんの方が、血液中のヘモグロビン量が多く、血圧も高く、生後24時間での尿量も多かった。
経膣分娩では差はなし
経膣分娩で生まれた赤ちゃんでは、「臍帯ミルキング」か「遅延臍帯結紮」に違いは見られなかった。
臍帯ミルキングは帝王切開で生まれた早産の赤ちゃんの血液量を増やすためにより効果的な方法であるといえる。
日本でも取り入れると良さそうだ。
文献情報
Katheria AC et al. Umbilical Cord Milking Versus Delayed Cord Clamping in Preterm Infants. Pediatrics. 2015 Jun 29. [Epub ahead of print]
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/26122803
引用元:
へその緒を搾り赤ちゃんに血液を、帝王切開の早産児で効果、血液増やす「臍帯ミルキング」 (Medエッジ)