90年代初頭に中学と高校で始まった家庭科の男女共修や女性の社会進出によって、若い世代では家事を共有する「家事シェアリング」があたり前になりつつある。花王の調査(※1)によると、35歳以下の家庭科共修世代では、浴室約8割、リビング約7割、トイレ約6割と男性も進んで掃除を行う「おそうじシェアリング」の実態があるそうだ。
その一方で、夫の家事参加に地域性はあるのだろうか? たとえば筆者は九州男児だが、亭主関白なイメージを持たれることがよくある。そんなわけで、今回は夫の家事参加の実態を都道府県別に調べてみよう。
●東北は家事シェアリング先進県!? 農業が盛んな地域は家事パパが多い?
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社会統計学を専攻する武蔵野大学講師の舞田敏彦先生によると、「6歳未満の子どもがいる共働き世帯の夫の家事・育児分担率(※1)を都道府県別に計算したところ、全国平均は14.1%。都道府県別でみると、6.7%から22.4%まで幅広く分布していることがわかりました」とのこと。
※1:総務省の「社会生活基本調査」(2011年度)から6歳未満の子どもがいる共働き世帯の、夫と妻の平均家事・育児時間を抜粋。夫の家事・育児時間を夫婦の合計で割ることで、夫の家事・育児分担率を算出
全国1位だったのは、22.4%の島根県。首都圏や大都市圏のほうが家事シェアが進んでいるのかと思いきや意外な結果になった。その理由を尋ねたところ、
「島根県は、子育て期の女性の正社員率が全国1位。また、三世代世帯が多いというのも関係しているのではないでしょうか。島根県以外にも、東北、山陰、四国といった農業が盛んな地域や首都圏も割合が高いのですが、これは女性の就労率が高いことが関係している可能性があります」との分析を聞かせてくれた。
一方、夫の家事参加率が最下位だったのは、大阪府の6.7%。大阪府に限らず、近畿は軒並み10%以下という低い数字が並ぶ。これは、家事・育児の9割以上を女性に任せていることになる。
「しかし、島根県が優秀かといえば、国際的にみるとそんなことはないんです」と舞田先生。OECD(経済協力開発機構)が発表した各国の平均家事時間によると、日本の女性が家事に費やしている時間は男性の4.8倍。一方、英米仏独は2倍以下で、北欧諸国に至っては1.5倍以下となっており、下記のとおり北欧諸国は男女の家事時間にほとんど差がない。
ノルウェー 1.17倍(男184分/女215分)
デンマーク 1.30倍(男186分/女243分)
スウェーデン 1.34倍(男154分/女207分)
フィンランド 1.46倍(男159分/女232分)
日本 4.82倍(男62分/女299分)
資料:OECD “Balancing paid work, unpaid work and leisure”より、休日を含む1日あたりの平均家事時間。統計の年次はおおむね2009年近辺のもの。日本は2011年のデータ。
「さらに、家事と仕事時間の関係をみると、日本の男性は仕事時間が長く、家事の時間が短いことがわかります。女性はその逆。男女の役割が明確に分かれていて、“男は仕事、女は家事”という社会なんですね。北欧諸国などは、男女の役割差が相対的に小さくなっています」
夫の家事参加やワークライフバランスが重視されるようになったとはいえ、まだまだ、妻の負担が大きいのが日本の現状。しかし、明るい兆しもあるという。それが、冒頭にも触れた、若い世代の意識変化だ。
「内閣府の『女性の活躍推進に関する世論調査』によると、20〜30代の男性は6割以上が、“男性も家事・育児を行って当然”と考えています。今後、ワークライフバランスの考えが進んで、男性の労働時間が短くなれば、家事シェアリングもより進むことでしょう。妻の家事・育児の負担を低減することは、女性の社会進出の後押しにもなります」
とはいえ、家事無精だった夫が、いきなり平日に炊事や洗濯をこなすのは難しい。まずは、使った物の後片付けや、気づいた時点でサッと掃除するだけでも、おそうじシェアリングは可能。裸足で歩いた床のベタつきや、お風呂場やトイレの水アカなどの汚れを残さないひと手間から始めてみてはいかがだろう?
※1:花王によるインターネット調査より抜粋(25〜34歳/40〜59歳の既婚男性801名へのアンケート調査 2015年5月)(R25編集部)
引用元:
家事パパ率1位は島根、最下位は? (T-SITE)