米国の調査によると、10代の肥満の女性は避妊具使用をしない傾向があるようだ。

 避妊具を使用した場合でも、常に使うことは少ないという結果が出ている。望まない妊娠にしないための工夫を考えるヒントになる可能性があるようだ。

4人に1人は20歳までに妊娠

 米国ミシガン大学ヘルスシステムの研究グループが、小児分野の国際誌であるジャーナル・オブ・ペディアトリクス誌2015年6月25日号オンライン版で報告した。

 米国の調査によると、10代の妊娠率は先進国の中では最も高い。女性の4分の1が20歳までには少なくとも1回の妊娠を経験するという。

 思春期の若者の妊娠は、その結果が良くない傾向があると指摘する。

 特に妊娠した女性が、思春期の5分の1を占めている肥満の場合が当てはまるという。

 起こり得る問題は、妊娠糖尿病、高血圧、血栓、帝王切開、死産、出産に関連して損傷を負うリスクがあるところ。

 生まれてきた赤ちゃんについても新生児集中治療室(NICU)に入院する率が高い。

どのような女性がリスクを抱えている?

 思春期の女性の妊娠を減らすのは、人々の健康問題の中でも最優先事項と見なされている。

 では、どのようなタイプの女性が妊娠のリスクが高いのか?

 研究グループは、18歳〜19歳のミシガン州在住の若い女性900人について、週刊誌による調査に基づいて分析。体重と性行動の関係を検討した。

避妊具を使用しない

 その結果、性交渉を持つ割合は52%。体重による差はなかった。

 一方で、週単位では、標準体重の女性は、避妊具を91%の割合で使っていたのに対して、肥満の女性は84%と低く、この差は統計学的に意味があると判定できた。避妊具を常に使用する割合も肥満の女性では低かった。

 若い時期で望まない状態で妊娠しないよう対策する一つのヒントになるのかもしれない。

文献情報

Chang T et al. Sexual Behavior and Contraceptive Use among 18- to 19-Year-Old Adolescent Women by Weight Status: A Longitudinal Analysis. J Pediatr. 2015 Jun 25[Epub ahead of print]


引用元:
肥満の10代女性は避妊具使用が少ない、米国研究グループが調査報告(Medエッジ)