医学的理由に基づいたものではない帝王切開手術を医療保険の対象から除外して自然分娩を普及させる厚生省の政策が6日、施行に移った。これにより帝王切開の保険適用を現在の85%から40%にまで削減する狙いがあるという。同日付フォーリャ紙が報じた。
妊婦と医師の双方が相談して日程を決めることが可能という利点の大きさや陣痛に対する妊婦の不安から、ブラジルでは私立の産院や病院を中心に帝王切開による分娩が主流となっている。
しかし自然分娩と比べて産後の母体の回復が遅い上、自然分娩と比べて感染症罹患率も高い帝王切開の無差別な施術には国内の医学界からも疑問が投げ掛けられていた。アルツール・キオロ厚生相も今年1月、ジルマ大統領(労働者党=PT)からの要請として、自然分娩の促進政策の施行予定を発表していた。
同政策の中心となるのは、担当医に対して帝王切開を希望する妊婦の「妊娠進ちょく票(Partograma)」を提出することを義務付けたことで、これにより産科医らが保険適用対象からの除外を促すことにつながるとされている。
しかし、出産といえば帝王切開が当然という社会で育った妊婦たちにとって、この政策は衝撃的なものとなった。現在妊娠8カ月のビルジニア・カルバーリョさん(36)は、妊娠5カ月の時点で担当医から「出産するころには帝王切開が保険適用外となる」と聞かされていたが、実費払いだと8000レアルが掛かると知るや、保険会社に術後の払い戻しの可能性を打診した。しかし答えは否定的なものだったため、国家民間補充医療サービス監督庁(ANS)や消費者保護センター(Procon)など関連機関に相談したが、いずれの返事も「保険適用は不可能」というものだったため、ビルジニアさんは現在、訴訟も視野に入れていると語る。
一方、匿名で取材に応じた妊婦の女性は、「これまでは自然分娩を行う医師を見つけるのが困難だったが、今後は帝王切開手術を受けられる病院を見つけにくくなる。新政策は女性に自由を与えると謳いながら、帝王切開を希望する女性からは選択の自由を奪っている」と述べ、帝王切開手術で出産するために実費の支払いを決めたことを明かした。
引用元:
ブラジル 6日から施行開始 帝王切開に制限課す政策(サンパウロ新聞 )