アセトアミノフェンが男性ホルモンを抑制か

妊娠中の解熱鎮痛薬の長期使用は赤ちゃんの男性ホルモンを抑制して、成人後に生殖障害を招く恐れがあると分かった。

 解熱鎮痛薬の中でもアセトアミノフェンと呼ばれる薬で、妊娠中に慎重にならざるを得ない飲み薬の中でも安全だと言われている。注意したい。

男性ホルモンの不足
 英国のエジンバラ大学の研究グループが、有力医学誌であるサイエンス・トランスレーショナル・メディシン誌に2015年5月20日に報告したもの。

 研究グループによると、最も一般的な男性の生殖障害は赤ちゃんのときに起こる場合が多いという。男性ホルモンであるテストステロンが低くなるために起こってくる。

 このテストステロンを抑制する要因が何かがよく分かっていない。

「停留睾丸」と関係か
 妊娠中にアセトアミノフェンの長期使用は赤ちゃんの睾丸(こうがん)が体内から下りてこない「停留睾丸」の危険性を増やすと見られている。

 ここもおなかの中の赤ちゃんへのテストステロン生成への影響は証明されていない。

 このたび研究グループはアセトアミノフェンの男性ホルモンへの影響を調べた。妊娠中は同じ鎮痛薬でも非ステロイド性消炎鎮痛薬(NSAIDs)が流産のリスクを高めるため使ってはならない薬とされており、使うとすればアセトアミノフェンを使われる。実際を反映した検証となる。

テストステロンを45%削減した
 研究グループは、別の理由で取られた人の胎児の精巣をネズミに移植。人への影響に合わせたアセトアミノフェンの投与量や投与頻度との関係を調べた。

 アセトアミノフェンを通常の治療に使う分量で7日間にわたってさらすと、人の胎児の精巣を移植されたネズミでは、血液中のテストステロンがほぼ半減した。45%の削減という結果だ。

 さらに、精嚢の重さも減って、18%の削減と計算された。

 1日だけでは薬の影響はなかった。

酵素に影響
 今回、ネズミがさらされたアセトアミノフェン濃度は、成人が薬を飲んだときの血液の濃度と比べると低かった。

 ネズミで検証すると、テストステロンを作るのに関係した酵素が減るためと見られた。遺伝子酵素Cyp11a1とCyp17a1という酵素だ。

 ほかにもさまざまな影響は考えられるが、男の子の影響という観点からも、妊娠中には薬を飲み過ぎないように注意すると良いのだろう。

文献情報
van den Driesche S et al. Prolonged exposure to acetaminophen reduces testosterone production by the human fetal testis in a xenograft model. Sci Transl Med. 2015 May 20.

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/25995226



引用元:
妊娠中の解熱鎮痛薬、男の子の生殖障害につながる恐れ、長期使用が問題に(Medエッジ‎)