政府税制調査会(首相の諮問機関)は2日、「経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)」が閣議決定したのを受け、歳入改革の議論に着手した。共稼ぎの子育て世代や、将来の日本の成長を担う若者世代に配慮した個人所得課税に見直すことを各委員が確認。これら世代への課税軽減と高所得高齢者への負担増の是非などについて、有識者の意見などを交えて議論していく方針を示した。今秋に論点を整理し、2016年に答申する。

 少子高齢化など経済社会構造が大きく変化する中、持続的な経済成長と安定的な税収基盤を確保するため歳入構造を見直す。若者など低所得者の勤労意欲を高め、安心して結婚・子育てができる生活基盤を確保できるよう税制面で側面支援するのが狙い。

 年齢より経済力を重視した税制への見直しを想定する。また17年度に消費税率10%への引き上げを控えていることから、個人所得課税は個人消費などに配慮した税収中立(増減税同額)を基本とする骨太方針に基づき議論する。

 同会の中里実会長(東京大学大学院教授)は会見で、個人所得課税見直しの議論は「国民のコンセンサスを形成できるよう努力する」と指摘。ただ一部国民の痛みを伴うだけに「最後は政治の決断になる」とも語った。


日刊工業新聞2015年07月03日2面


引用元:
「税」から見た安心して結婚・子育てできる社会とは?(ニュースイッチ Newswitch)