子供にかかる医療費のうち、自己負担分を自治体が賄う助成制度を巡り、県内の9市町が今秋、対象年齢などを拡大することが、読売新聞の調べで分かった。財政力や人口規模の違いから生じている自治体間格差を解消し、少子化対策を図るのが狙いだ。ただ、市町村に対する県の補助が全国最低レベルであることが格差につながっており、保護者からは是正を求める声が上がっている。

 子供の医療費について、県は通院については3歳未満、入院は就学前の子供まで各市町村に補助金を出している。これを上回る年齢の子供については、市町村によって助成対象が異なっている。

 県子育て支援課によると、今年4月現在、入院、通院とも18歳(高校3年)まで補助し、所得制限もない最高レベルにあるのは、七ヶ宿や大衡など4町村。七ヶ宿町の担当者は「高3までの子供は166人で、年間予算は350万円。少子化の取り組みの大切さを考えると、決して大きな負担ではない」と話す。

 読売新聞が6月、県内全35市町村に聞き取り調査したところ、今年10月から11月にかけて対象を広げるのは気仙沼、名取、岩沼、登米、大河原、丸森、山元、富谷、南三陸の計9市町。このうち、名取と登米、山元の3市町は、通院の補助が就学前、入院が15歳(中学3年)までのうえ、所得制限も設けられ、現在は県内最低レベルにある。登米市は「(対象拡大で)予算は年間1億6000万円増える。負担は重いが、議会からも要望があり、拡充を決めた」としている。

◆仙台「子供多く困難」◆

 秋以降、最低レベルになるのは仙台、多賀城の2市。対象年齢はいずれも通院が9歳(小学3年)、入院が15歳までで、所得制限もある。仙台市では通院時の初診料など、一部自己負担も必要だ。5歳と1歳の娘がいる市内の会社員女性(39)は「負担が気になり、少し調子が悪いくらいでは受診をためらうこともある。同じ県なのに格差があるのはおかしい」と訴える。

 これに対し、仙台市は「例えば通院の補助対象を中3まで広げると、子供が多くて年間20億円以上の負担増になる。拡大は難しい」と話す。多賀城市も「それなりの負担が生じるため、今すぐには拡充できない」との立場だ。

◆県補助 最低レベル◆

 自治体間格差が生じるのは、財政力や人口規模の違いに加え、県の補助が乏しいためだ。厚生労働省の調査(2014年4月現在)によると、都道府県による市町村への補助対象について、通院が3歳未満と全国で最低だったのは本県と新潟、大阪の3府県。本県の状況について、県子育て支援課は「格差は望ましいことではない」とする一方、「財源が厳しく、県がさらに補助するのは難しい」と話している。



引用元:
子供の医療費助成 拡充…9市町が今秋