全身性エリテマトーデス(SLE)は、20代から40代の女性に多く、全身の炎症による症状が軽くなったり重くなったりしながら長く続きます。妊娠・出産には悪い影響があると考えられています。SLEがあって妊娠していた人について、特に早産などの悪い結果に結びつきやすい特徴を調べた研究で、血液検査の「LAC」の値、血小板数、降圧薬を使うこと、および病気の活動性に、悪い結果との関連が見られました。


◆SLEがあり妊娠している385人を追跡

研究班は、SLEがあり妊娠している385人の女性を追跡し、妊娠の結果を調べました。



◆リスクがなければ7.8%

調査から次の結果が得られました。


妊娠についての有害帰結は妊娠の19.0%(95%信頼区間15.2%-23.2%)に起こった。胎児死亡は4%に、新生児死亡は1%に、早産は9%に、在胎週に対して過小体重の新生児は10%に見られた。

対象者の4%に胎児の死亡、1%に出産後1か月以内の子の死亡、9%に早産が起こるなど、合計19%に悪い結果がありました。


ベースラインでリスク因子のない女性のうちでは、妊娠についての有害帰結は7.8%にあった。

悪い結果と関連していた調査開始時の要因として、血液検査の「LAC(ループスアンチコアグラント)」の値、降圧薬を使っていたこと、SLEの活動性のスコアが比較的高いこと、血小板数が少ないことが見つかり、いずれにも当てはまらなかった人のうち7.8%に悪い結果がありました。

研究班はこの結果について「非活動性または安定した軽度から中等度のSLEがあり妊娠している患者について、[...]特定のリスク因子がない場合は帰結は良好である」と述べています。



この研究で、SLEが発症していた人の8割以上は問題なく出産しています。比較的リスクが低いと見られた人では9割以上でした。ここで示された数字がほかの集団にどの程度当てはまるかはわかりませんが、ひとつの参考にはなるかもしれません。


引用元:
若い女性に多い難病「全身性エリテマトーデス」、出産に対する影響は? アメリカで385人の追跡結果(MEDLEY)