帝王切開で生まれた赤ちゃんはその後に肥満になりやすいという報告は多い。

 このたび23歳時点でどのような影響が残るか検証された。

 ブラジルのカシアス・ド・スル大学を含む研究グループが、米国栄養学会が発行する臨床栄養学分野の専門誌アメリカン・ジャーナル・オブ・クリニカル・ニュートリション誌オンライン版で2015年6月17日に報告した。

2000人以上のデータ

 これまでの報告では、帝王切開になると、赤ちゃんの腸内細菌叢(ちょうないさいきんそう)が増えるのを妨げると分かってきていた(帝王切開と腸内細菌に関係?2013年のクロアチアの報告よりを参照)。

 子ども時代と成人してからの肥満に関連してくると見られていた。

 研究グループは、ブラジルの大人数を対象とした研究から子ども1人の妊娠のデータを収集し、2000人以上(約半数が女の子)の子どもを23〜25年追跡した。

 出産のタイプやうまれた時の体重、母親の年齢、学歴、喫煙歴などのデータと、子どもが23〜25歳時点での身長や体重、血液検査からの生化学的測定値、学歴、喫煙歴などを調べた。

BMIだけに影響

 その結果、32%が帝王切開で、母親が高齢、高学歴の場合に多かった。

 経膣出産に比べて、帝王切開だった人はBMIが高かった。

 血糖値、血糖の下がりにくさにつながるインスリン抵抗性、総コレステロール、HDL/LDLコレステロール、中性脂肪などの代謝関連の要素では異常はなかった。

 影響は幅広く及ぶことはないという結果。帝王切開で生まれた人にとっては安心できる結果。体重には気をつけた方がいいかもしれない。


引用元:
帝王切開で生まれた子どもは太る? 子どもが23歳の時点で調査 ブラジルの追跡研究より(Medエッジ)