妊娠18週前後での運動の効果を検証

妊娠中期の運動で妊娠糖尿病のリスクを下げられるのかどうか、このたび検証が行われた。

 米国カリフォルニア大学サンディエゴ校を中心とした研究グループが、産婦人科学の専門誌オブステトリクス・アンド・ガイナコロジー誌2015年5月号で報告した。

ホルモン変化でなる妊娠糖尿病
 妊娠中は、胎盤から糖の代謝が悪くなるホルモンが出て、血糖値が上がりやすい状態になっている。そういった原因で、妊娠中に初めて見つかった糖代謝の異常を「妊娠糖尿病」と呼ぶ。

 妊娠前からの糖尿病や、妊娠中でも「明らかな糖尿病」と診断されたものは、妊娠糖尿病には含めない。妊娠するまで糖尿病とは縁がなかった8人に1人が妊娠糖尿病になると言われている。

 妊娠糖尿病を予防するには、普段からバランスの取れた食事を取り、適度に運動することだと言われている。今回、妊娠中期の運動が、それ以降に発症する妊娠糖尿病のリスク低下につながるかどうか、検証が行われた。

妊娠18週前後で検証
 運動の効果を判定しやすいように、診療記録から妊娠糖尿病、耐糖能、血糖値などを調べ、妊娠糖尿病リスクが35%以上と高い人を選んだ。最終的に選ばれたのは、平均妊娠18.2週の352人で、人種はさまざま。

 ランダムに172人ずつの2グループに分かれてもらい、一方のグループは個人のやる気に合わせて運動を12週間行ってもらった。もう一方には、健康指導を受けてもらうにとどめている。運動は、米国産科婦人科学会が定めた「妊娠中における身体活動のガイドライン」に沿ったものとした。

 検証は2007年7月から2012年12月までの期間で行われた。352人中、最後まで参加し続けたのは251人だった。内訳は運動グループが124人、健康指導グループが127人だった。

 最後まで参加しなかった脱落した人数も含めて評価した(インテンション・トゥ・トリートと呼ぶ分析方法)。

リスク低下の傾向
 その結果、運動グループでは、健康指導グループと比べ、妊娠糖尿病リスクが61%と低くなっていた。耐糖能異常リスクが68%、血糖値異常リスクが86%といずれも低くなっていた。ただし、統計学的には意味があるリスク低下とまでは判断できない程度ではあった。

 今回行われた運動と健康指導は、心配される出産への悪影響はなかった。

 研究グループは2014年、妊婦さんに運動を進めると、より体を動かすようになるという報告をした(妊婦さんには「活動的に」と勧めよう、妊娠糖尿病を防げるを参照)。今回は、妊娠糖尿病リスク低下についてさらに検証を続けている。統計学的に意味のある差までは出なかったが、低下傾向は見られ、出産に影響はないとの結果。赤ちゃんの健康にはつながるという報告はある(妊娠中に太るほど、生まれる子の8歳時点の肥満傾向も強くを参照)。妊娠中の運動はやはり心がけた方が良いのかもしれない。



引用元:
プレママの1割以上が経験する「妊娠糖尿病」、妊娠中期の運動で防げる?(Medエッジ‎)