ライフスタイルに合わせた多様な働き方ができるよう、政府が夏の朝型勤務を奨励する「ゆう活」を進めている。「ゆうやけ時間活動推進」の略称で、早朝から働き始め、まだ明るい夕方のうちに仕事を終わらせることを呼び掛けている。ただ、保育園や小学生の子供を抱える共働き家庭にとっては、朝型勤務により負担が増える場合も想定される。奈良労働局は「フレックス制など状況に応じて柔軟な働き方をしてもらいたい」としている。

 「ゆう活」は夕方に家事や育児、余暇などに充てる時間を増やすことで、ワークライフバランスの実現を図る。長時間勤務の抑制や、仕事の効率化も目的だ。政府は事例として午前7時に出勤して1時間の「朝残業」をし、午後4時半で退社するスタイルなどを提案している。

 しかし、保育園や小学生の子供を抱える働く母親の場合、夫も同様の朝型勤務にシフトすれば、子供の保育園への送りや朝食準備などで逆に負担が増える可能性もある。同労働局の担当者は「それぞれの家庭に応じた柔軟な働き方をすることが大切だ。ただ、朝型に勤務を前倒しすることによって、夜の労働時間の削減にはつながる」と強調。「まずは仕事もプライベートも大切にするという働き方が広まっていけば」と話している。

 国は地方自治体や各地の労働局などを通じ、周知啓発を強化。奈良労働局でも、先月末から今月にかけ、県内の経営者団体や労働団体に「ゆう活」を推進する要請文を手渡した。

引用元:
政府奨励の朝型勤務「ゆう活」柔軟に 奈良労働局「仕事もプライベートも大切に」 奈良(産経新聞)