最近、日本でも女性のクラミジア感染が注目されている。

 米国では、妊娠中の女性がどれだけ性感染症の検査を受けているのかについて、実態調査が行われた。

妊娠を扱う保険の加入者を調べた

 米国疾病対策センター(CDC)の研究グループが、産婦人科学の専門誌オブステトリクス・アンド・ガイネコロジー誌2015年5月号で報告した。

 米国の医療保険制度は、日本のような国民皆保険ではない。基本的に民間の保険に加入して、必要な場合に医療費を給付してもらう制度になっている。民間保険に加入できない低所得者のためには「メディケイド」という公的医療制度が用意されている。妊娠は病気ではないので、カバーしていない民間保険もある。

 研究グループは、米国で、妊娠をカバーする保険に加入している女性の診療データから、妊娠中に性感染症の検査を受けている人の割合を調べ、保険の種類によって受診率に違いがあるかどうかを調べた。

HIVや梅毒、クラミジアなど調査

 特に、エイズの原因となる「ヒト免疫不全ウイルス(HIV)」の検査に注目した。また、子宮頸がんの検査をパップテストで受けたついでにHIV以外の性感染症の検査を受けている割合なども調べた。

 パップテストは、子宮頸がんの検査で行われる「子宮頸部細胞診検査」のこと。膣から柄の長いヘラやブラシを挿入し、子宮頸部の表面の細胞をこすり取って調べる方法だ。

 調査は米国の診療報酬請求データベースを基にして行われた。これは、メディケイドや民間の医療保険の対象となった情報を集めたものだ。このデータベースに含まれる、2009年から2010年までに妊娠で保険診療を受けた15歳から44歳までの女性を調査の対象とした。

 妊娠中の検査の受診率を調べた性感染症は、HIVのほかs、梅毒、B型肝炎、クラミジア、淋病とした。

メディケイドと民間で同様

 妊娠でメディケイドの対象となった女性は9万8709人だった。そのうち82.4%(8万1339人)がHIV検査を受けていた。また、96.3%(9万5064人)が梅毒検査、96.3%(9万5082人)がB型肝炎検査、83.1%(8万2047人)がクラミジア検査、74.8%(7万3799人)が淋病検査を受けていた。

 一方、民間保険の対象となった女性は26万6012人だった。そのうち85.4%(22万7276人)がHIV検査を受けていた。また、97.8%(26万79人)が梅毒検査、96.8%(25万7675人)がB型肝炎検査、70.3%(18万7071人)がクラミジア検査、68.6%(18万2400人)が淋病検査を受けていた。

 メディケイド、民間保険ともに、性感染症の検査を受けている割合はほぼ同じだった。妊娠中に子宮頸がんのパップテストを受けたついでに、クラミジアと淋病の検査も受けている傾向が見られた。

HIVとクラミジア検査を

 研究グループは、感染症によっては検査の実施率が低いと問題視もしている。例えば、HIV検査の割合は低く、加入している保険の種類や、人口統計学的な差によって、受診の割合にばらつきが確認できたと指摘。クラミジア検査についても受診率は改善の必要があるほど低いと見ている。

 健康な赤ちゃんを生むために、妊娠中に性感染症の検査はぜひ受診しておきたい。日本でも同じだろう。


引用元:
妊娠中の女性は性感染症の検査を受けているのか?米国疾病対策センターによる実態調査(Medエッジ)