沖縄県の女性は子だくさんで日本の他の地域よりも平均寿命が長い。

総務省統計局や厚生労働省のデータからは、太陽がさんさんと照る砂浜や透明度の高い美しい海に恵まれた沖縄でのワーク・ライフバランスの様子が見えてくる。

東京都や京都府など他の都道府県と比較したグラフによると、沖縄県の1人の女性が一生に産む子供の平均数を表す合計特殊出生率は1.94と国内最高だ。東京都の出生率が一番低く1.13にとどまっている。

沖縄県の女性の平均寿命は、最高位の長野県にわずかに及ばない87歳と長い。

人口減少に歯止めを掛け、女性の労働参加を促している政府にとって沖縄には参考にできる点が多い。

男女とも沖縄県民の残業時間は他の都道府県に比べ短め。月平均の残業時間が東京に比べ4時間短い。沖縄の共働き夫婦は子育てに充てられる時間が長いということになる。

だからといって、東京の労働者があくせく働いている一方で、沖縄の労働者が気楽な生活を送っているというわけではない。沖縄女性の労働力率は全国平均を上回り東京都をわずかに下回る程度なのだ。

日本の女性の出生率が全国的に下がっている背景として、ニッセイ基礎研究所の天野馨南子研究員は晩婚化、晩産化を挙げる。

沖縄県の女性の第1子出生時の平均年齢は29.1歳と東京都の32歳に比べ若い。政府の調査によると、多くの夫婦が2人、3人目の子供持つことを希望しているが、30歳以下では経済的理由が、35歳以上では母体の健康面への懸念がネックになっている。

自身も30代半ばで女の子を出産した経験のある43歳の天野さんは、政府が少子化対策を実のあるものにするためには、女性の出産年齢を下げることに重点を置くと同時に、長時間勤務を減らす対策が必要になってくると述べた。  



引用元:
出産と長寿は沖縄の女性に学べ−ワーク・ライフバランス (ブルームバーグ‎)