普段何気なく使っているものが、将来の病気に深く関わっているとしたらどうでしょうか。非常にショッキングなことに、アメリカで50年かけて行われた研究の結果、殺虫剤に使用されるDDTという成分が、胎児の将来の乳がんに深く関わっていることが明らかになりました。
■米国の専門誌から、ショッキングな研究結果の報告
今回は殺虫剤に使用されているDDTという成分と乳がんの関連の研究で、DDTがアメリカで使われていた時代の女性(のちの母親)と、母親の胎内にいた「胎児」が対象となっています。
当時胎児だった女性で52歳までに乳がんと診断された方の母親を調べたところ、DDTの濃度が高い母親から生まれた女性は乳がんに掛かるリスクが4倍近いという結果がでました。
早期に乳がんを発症した女性は、その母親のDDTという成分の血中濃度が大きく関わっていることが判明したということです。
■このDDTという成分は一体なに?
DDTとは農薬、殺虫剤に使用される成分です。
WHOによれば、10年ほど前に一部の国でマラリアを駆逐するために使用することが奨励されていました。
しかし一方で、このDDTには発がん性があることも指摘されていました。
そのため日本を含む一部の国では既に製造、使用が禁止されています。
■妊娠中はどんなものに気をつけたらいいの?
妊娠中の生活環境は胎児に一定の影響を与える可能性があり、気をつけている方も多いでしょう。
今回の研究から示唆されていることとしては、「女性ホルモン(エストロゲン)」です。
DDTという成分はこのエストロゲンのような作用をし、体内のホルモンのバランスを乱している可能性があるといいます。
そして、このDDTが関わって発症したと考えられる女性は、乳がんの種類の中でもホルモンの感受性が陽性の乳がん患者が多かったということです。
具体的な作用までは正確にはわかりませんが、妊娠中はこのような体内のホルモンのバランスを崩すものは、極力気をつける必要があるかもしれませんね。
引用元:
妊娠中は要注意!殺虫剤が原因で胎児の乳がんリスクが4倍? (マイナビニュース)