コミュニケーション技法の1つである「コーチング」。名前だけ聞くと、格好良すぎて、何だか気後れしちゃう!? いえいえ、そんなこと、全然ないんです! コーチングには、子どもと関わる時の大切な知恵がたくさん詰まっています。


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子どもが、ごきげんな人生を歩めるようにサポートするスキル

「コーチングとは、お母さんが言いたいことを伝える技術ではなく、思う通りに子どもを動かす技術でもなく、子どもが自分で考え、自分で決めて、自分の人生を歩めるように関わっていくスキルなんです」と、あべさん。

自分で決めて、自分の人生を歩む。つまりは、自発的な行動ができるようになれば、人生のクオリティはおのずと上がる。「コーチングとは、その子がごきげんな人生を歩めるようにサポートするスキルなんです」。


子育ての答えは、すべて子どもの中にある

そう聞くと「子どもの自発的な行動を促すには、親は何をすればいい?」と考えてしまう。でも、「答えはすべて子どもの中にあるんです」と、あべさん。

それをあべさんが実感した時のエピソードを引用しよう。要約するとこんな感じだ。


“「娘がハイハイをしている頃、15cmほどの段差を下りられるように、私(母)がハイハイの恰好になって、毎日のように見本を見せていた。それは、足から先に下りる方法。ところが生後9ヵ月目のある日。娘は、いきなり手をありったけ伸ばし、頭から段の下に向けて突っ込んで上手に段差を下りた。母は一連の動きを見ているほかなかった。

どんなに見本を見せても、どんなに教え込んでも、最終的には、人は自分の求めているものを自分のやり方で手に入れる、すべて自分が決めたことを人はするのだ」”

きっと、どの親も多かれ、少なかれ、似たような体験が思い当たり、ギュッと胸が掴まれるような共感を覚えるのではないだろうか。


まずは、子どもの話を最後まで聞くこと

「すべては子どもの中にある」のなら、それを信じて、子どもの中にあるものを引き出すことに専心すればよい。などと書いてみても、日々の自分の子育てを省みると、まったくもって自信がない。あべさんは、言う。

「日本にコーチングを初めてもってきた伊藤守さんが、講演会などで紹介するエピソードの一つに、『私たちは<聞かれずに育った>』というものがあります。誰でも思い当たる子どもの頃の体験として、ちょっと話を始めると、大人は途中で『ああ、わかった、わかった、』と言って、子どもは最後まで聞かれていない、と。

そんなエピソードを聞くと、ちょっと反省してしまう。どうしたら、子どもの話を聞ける母になれるのだろう? もしかしたら、それはコーチング以前の私側の心の問題なのかもしれない。親側の心を整理するヒントを、取材中のあべさんとの雑談の中で見つけた。



引用元:
子育てはコーチング技術を使えばもっとうまくいく!(ママが楽になる母親コーチング特集1)(excite)