“格差社会”などと言われて久しい日本ですが、家庭の経済状況によって、子どもの健康にも少なからず影響があるようです。
たとえば“肥満”。実はこのたび、日本医科大学の衛生学・公衆衛生学の可知悠子助教授らが行った研究によって、家計支出によって子どもの肥満度に、約3倍の差が認められるという実態が明らかになったのです。
肥満は将来の病気リスクにも深い関係があるもの。親として、できれば回避したいところですよね。
今回は、同研究結果を参照しつつ、現代日本の経済格差がもたらしている子育てへの影響について、市議として8年間教育行政に携わってきた筆者がお伝えします。
■日本でも欧米並みの事象が進行中
全国から無作為抽出した6歳から18歳の子ども794名を対象に実施された同研究で、青年期(12〜18歳)の子どもたちの肥満の割合は、家計支出が下位3分の1の世帯では15.1%、上位の世帯では4.8%と、家計の支出状況によって、約3倍の差があることが明らかになったそうです。
欧米では、親の経済状況が悪いほど、その子どもが肥満になるリスクが高くなることが多数報告されていたそうですが、今回の研究では、日本でも同様の事象が起きていることを裏付ける結果となったのです。
それにしても、親の経済状況が、子どもの健康に悪影響を及ぼすとは、いったいどんな背景があるのでしょうか? もう少し詳しくみていきましょう。
■家計支出額と子どもの肥満との関連は!?
厚生労働省が全国規模で無作為抽出により実施している「国民生活基礎調査と国民健康・栄養調査」に参加した、学童期(6〜11歳)と青年期(12〜18歳)の各397名を対象に、親の経済状況によって肥満の割合が異なるかを分析してみると、学童期では12.3%、青年期では9.1%が肥満の基準に当てはまっていたようです。
さらに細かく見ていくと、世帯を月間の家計支出額に基づいて3群に分けた場合、青年期の子どもでは下位3分の1の世帯(平均家計支出額:16.5万)で、上位の世帯(45.2万)と比較して、肥満の割合が3.4倍高いという結果になったそうです。
ですが、学童期の子どもは、家計支出が下位3分の1の世帯(平均家計支出額:15.0万)と上位の世帯(39.0万)での肥満割合に有意な差は出なかったとのこと。
青年期の子どもに顕著な影響が出ているとも読み取れますが、肥満の原因は、運動不足や便秘のほかに、極度なカロリーオーバーも挙げられます。
■家計支出が低い=肥満ではないけれど……
もちろん、家計支出が低いこと=肥満の原因とは必ずしも言えませんが、支出を抑えることで食費も削りがちになることも想定され、場合によっては成長期の子どもに栄養が偏った低価格・高カロリーな料理ばかりを食べさせている可能性も考えられます。
各家庭の事情で仕方ない場合もあるでしょうけれど、成長期の子どもに対しては、偏った栄養の食事をできるだけ避けるのはもちろんのこと、適度な運動をするよう上手く習慣づけることが、肥満を防ぐ近道となるのかもしれません。
以上、今回は現代日本の経済格差がもたらしている子育てへの影響についてお伝えしましたが、いかがでしょうか?
日本小児保健協会による研究結果では、“夜型”生活が多い生活習慣の乱れた子どもは、肥満になりやすいという報告もあります。規則正しい食生活&生活習慣を心がけることが、子どもの肥満を防ぐ有効な対策となるように思います。
お子さんが肥満気味だと感じるママは、この機会に、お子さんの食生活や生活習慣を振り返るきっかけにしてみてはいかがでしょうか。
引用元:
そんな関係が!? 「経済状況が悪い家庭」の子どもは肥満になりやすいらしい【wooris】