日本語で当てはまる言葉がまだないようなのだが、「一炭素栄養素」というタイプの栄養素が妊娠前後に重要となり、今後、さらに注目されそうだ。

 このたび、多くの妊婦がこの一炭素栄養素の必要量を食事では満たせず、サプリメントに依存していることが判明したようだ。

 カナダのトロント大学を含む研究グループが、米国栄養学会が発行する栄養学全般の専門誌ジャーナル・オブ・ニュートリションのオンライン版で2015年6月10日に報告した。

一炭素栄養素とは?
 「一炭素栄養素」は英語ではワンカーボンニュートリエンツ(One-Carbon nutrients)と表現されており、具体的には「葉酸」「ビタミンB6」「ビタミンB12」「コリン」という栄養素を言う。

 なぜ一炭素栄養素と呼ぶかといえば、DNAやタンパク質に「メチル基」という炭素一つから成る小さな分子を付ける役割を果たしているからだ。

 妊娠中におなかの中の赤ちゃんの発達にとって重要になる。赤ちゃんに障害が起きないために必要で、神経発達のためにも必要になり、不足しないようにする必要があるが、取り過ぎても良くない面もある。

妊娠前から調査
 研究グループは、妊娠16週以内のカナダ人女性約370人を対象として、妊娠から30日以上前に一炭素栄養素の仲間に入る栄養素のサプリメントを取っていたかどうかを確認。さらに妊娠初期(16週以内)と後期(23週〜37週)のサプリメントからの一炭素栄養素、食事による一炭素栄養素の摂取量をアンケートに基づいて調べた。

特にコリンが不足
 その結果、妊娠前にはビタミンBのサプリメントを取っていた女性は約60%。そこから妊娠初期には取っている人は約93%まで増えて、後期にも約90%となっていた。

 葉酸、ビタミンB12、ビタミンB6をサプリメントでどれくらい取っているかを見ると、中心となる値はそれぞれ1日当たり1000μg、2.6μg、1.9mgだった。

 食事による摂取量を見ると、目安となる量に達していなかった女性の割合は、葉酸が40%、ビタミンB6が50%、コリンが87%となっていた。コリンについてはほとんどの女性が目安の量にも達していないわけだ。

 食事による摂取量は妊娠中もあまり変わらなかった。果物、野菜と強化食品では葉酸の最大57%の供給源になっていた。果物と野菜はビタミンB6について最大37%の供給源になり、乳製品と卵製品はビタミンB12の最大37%の供給源になっていた。

サプリメントが必須に
 サプリメントなしには一炭素栄養素の必要量を満たせていない結果で、特にサプリメントによるコリンの補充を検討する必要があると思われる。

 日本でもここで報告されたような栄養素の充足には関心が高い。あらためてどのように栄養素を取るかを問題として俎上に上げてもいいかもしれない


引用元:
妊娠中に大切な「一炭素栄養素」とは?野菜や果物ではとても不足してしまっている実態か(Medエッジ)