中国で行われた研究によると、妊娠中の鉄の補充によって出産のときの貧血や鉄欠乏症が減少したという。それでもまだ母親と赤ちゃんの多くが鉄欠乏症に悩んでいるという。

 中国の北京大学病院を含む研究グループが、米国栄養学会が発行する栄養学全般の専門誌ジャーナル・オブ・ニュートリションのオンライン版で2015年6月10日に報告した。

約1600人の妊婦で調査
 研究グループは、赤ちゃん一人を身ごもった正常妊娠で、血中ヘモグロビン値から判断して貧血ではない妊娠20週以内の女性(18歳以上)に、鉄(硫化第一鉄300mg)を含む薬剤、またはニセ薬(プラセボ)に葉酸0.4mgを加えた薬剤のいずれかを出産まで取ってもらった(それぞれ約800人ずつ)。

 研究開始時と出産時に血液検査をして、母親の静脈血、臍帯血(さいたいけつ)の鉄量を調べた。

 血液中のフェリチン(鉄を貯蔵するたんぱく質)濃度と体内の鉄量から母親の鉄欠乏症を判定したほか、ヘモグロビン値から母親の鉄欠乏性貧血について調べ、臍帯血から赤ちゃんの鉄欠乏症も確認した。

赤ちゃんの結果は同じ
 その結果、出産時の母親のヘモグロビン値は、鉄を補充したグループの方がニセ薬グループより約6g/L高くなっていた。

 鉄を補充したグループは、貧血、鉄欠乏症、鉄欠乏性貧血のリスクがそれぞれ47%、35〜26%、約50%低かった。

 ただし、そうした補充をしても大部分(55〜67%)の女性が鉄欠乏症となっていた。

 両グループとも、45%を超える赤ちゃんが鉄欠乏症だったが、臍帯血中のフェリチン濃度は、母親が鉄を補充する量が多いほど高かった。

 鉄の補充により貧血、鉄欠乏症、鉄欠乏性貧血が減ったが、それでも大部分の母親と半数以上の赤ちゃんで鉄欠乏症が見られる結果だった。

 鉄欠乏による貧血が思いのほか、難儀であるわけだ。日本は中国の状況よりは栄養状態に恵まれている可能性はあるものの、気を付けたい


引用元:
妊娠中は鉄に気を付けたい、鉄補充で貧血や鉄欠乏症が減る、中国で問題に(Medエッジ)