日本産科婦人科学会の専門委員会は、健康な女性が将来の妊娠や出産に備えて卵子を凍結保存することを、基本的に推奨しないとする文書をまとめ、全国の産婦人科の医師に周知しました。
卵子の凍結保存は、女性の晩婚化が進むなか、若い時の卵子を保存して将来の妊娠や出産に備えたいという独身女性の要望に応じて、不妊治療のクリニックなどで広がっているとみられています。
これについて、日本産科婦人科学会の専門委員会が全国の産婦人科の医師に周知した文書では、まず妊娠、出産は適切な年齢で行われることが望ましく、卵子凍結はその代替方法として用いるべき技術ではないとしています。
そのうえで、卵巣出血や感染症などを引き起こす可能性があること、受精卵や胎児への影響が不明なこと、将来の妊娠・出産が保証できないことなどから、健康な女性が卵子の凍結保存をすることは基本的に推奨しないとしています。
また、やむをえず実施する場合には、学会に登録され設備が整った施設で行うことなどとしています。
卵子の凍結保存を巡っては、おととし、日本生殖医学会が「無秩序に広がるのを防ぎたい」として、40歳以上は推奨できないなどの条件をつけたうえで、健康な独身女性にも認めるガイドラインをまとめていました。

引用元:
卵子凍結保存 健康な女性に推奨せず(NHKニュース)