高いとはいえない体外受精の成功率の向上に、テクノロジーが光となるかも。

男性が射精した際、そこに精子が含まれない場合、睾丸から直に精子をとり体外受精させる方法があります。が、このプロセスで上手く受精する確率は非常に低いと言われています。だから、新たな技術が必要なわけで。

通常、医師がサンプルとして精子をとるとき、精子は均等に散らばっているわけではないので、必ずしもたくさん取得できるとは限りません。ゆえに、体外受精に使用するための存続可能な精子は50%だけだと言われています。精子がたくさんとれない、それは精子がどこにあるのかをトラッキングする術がないからです。

そこで、新たに開発されているのが、精子をトラッキングする技術。ミュンヘン大学の研究チームは、プローブベース共焦点レーザー内視鏡(probe-based confocal laser endomicroscopy)がこの新技術の鍵だと考えます。

画像をよりシャープに捉え、3Dのレンダリングも行なえる2つの光検出器を持つ光学共焦点内視鏡を用いて、通常の光では見ることができなかった精子をレーザーの光で見つけることができるといいます。摘出したヒトの組織で行なった実験では、この技術を用いて尿細管の中の精子を1つ1つ見ることができただけでなく、その動きまでトラッキングが可能だったといいます。

現段階では、まだまだサンプルの数が少なく、すぐさま実用化というわけにはいきません。しかし、近い将来、この技術が体外受精のため精子を取り出すのに役立つのではないかと非常に期待されています。


source: BioPhotonics via MaterialsViews

Jamie Condliffe - Gizmodo US[原文]



引用元:
体外受精の光となるか? 精子トラッキング技術に注目 (ギズモード)