◇基礎生物学研究所の田中教授らがサイエンスに発表
メダカの生殖幹細胞が、卵になるか、精子になるかを決めている遺伝子を発見したと基礎生物学研究所(愛知県岡崎市)の田中実准教授(生殖生物学)らが11日付の米科学誌サイエンスに発表した。この遺伝子の機能を失わせたメダカのメスは、卵巣の中で精子を作った。生物の性の決定の解明につながる重要な成果だ。
生殖幹細胞は、卵または精子になる細胞で、田中准教授らのグループが2010年に脊椎(せきつい)動物で初めてメダカの卵巣内で発見した。従来は体の性に従う形で、生殖幹細胞も卵巣内にあれば卵に、精巣内にあれば精子になると考えられていた。
田中准教授らは、メダカのメスが卵を作る時に生殖幹細胞で活発に働く一方、オスが精子を作る時にはほぼ働かない遺伝子「foxl3」に注目。この遺伝子の機能を人工的に失わせたメダカを作ったところ、メスの卵巣内で大量の精子が作られた。さらに、このメスは半年後、精子を作りながら卵も作るようになったという。精子も卵も、他の個体の卵や精子と受精して子孫を残すことができた。
動物のオスの多くは生殖幹細胞があり、生涯にわたって精子を作るが、ヒトなど哺乳類のメスは胎児の段階で生殖幹細胞は失われていると考えられている。田中准教授によると、哺乳類ではfoxl3は見つかっていないが、鳥類や爬虫(はちゅう)類にはあるという。【斎藤広子】
近藤寿人・京都産業大客員教授(発生生物学)の話 今回の成果から、体の細胞と生殖幹細胞とのやりとりで性が決まっている可能性があることが明らかになった。生き物の性決定の仕組み全体の解明につながる、非常に重要な成果だ。
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引用元:
メダカ:卵巣で精子できた 性決定の遺伝子を発見 (毎日新聞)