子宮頸(けい)がんや子宮体がんの患者が悩みを共有するサロンが県内で初めて大津市内にできた。呼び掛け人となった多田勢津子さん(54)=大津市下阪本=は、会の名称「スイートピー」の花言葉「門出」にちなみ、「一人で悩まず、新たな人生のスタートを」と呼び掛けている。

 メンバーは五十〜六十代の六人。がん患者の相談に応じる「ピアサポーター」らと、同じ悩みを持った人同士で集まろうと三月に結成した。これまでに二回ランチ会を催したが、若い女性の中にも悩みを抱えている人がいるはずとして、グループの輪の拡大を考えている。

 多田さん自身が異変に気付いたのは三十代のころ。左胸のしこりが気になっていたが、子育てで忙しく「がんと認めたくなかった」と十年近く放置。二〇〇九年に倒れたときには、乳がんのがん細胞が全身に転移していた。

 入院中に、子宮頸がんと子宮体がんも見つかり、子宮を全摘。子育てを終えた後だったが「涙が止まらなかった」という。

 県内で病院に併設されたがん患者サロンは九カ所あるが、がんの部位によって悩みが異なる。女性ならではのデリケートな話は男性の前では「打ち明けづらい」というのが実情。「一瞬でもがんを忘れる時間が大切。母親のように悩みに答えたい」と話した。

 六月十七日にはNPO法人「淡海かいつぶりセンター」(大津市)で、アロマオイルを使ったハンドマッサージを計画している。(問)多田さん=080(6141)4151、メールアドレスuruuru-arashi@tea.ocn.ne.jp



引用元:
女性がん患者の悩み語ろう 大津にサロン開設(中日新聞)