拡大



 大阪の病院で、いつの間にか患者の了承なく凍結精子の保存が打ち切られた。管理や情報共有はどうなっていたのか。三つの疑問が浮かんでくる。

 ■責任者異動 引き継がれず

 まず浮かぶのは、なぜ担当者間で十分な引き継ぎがなかったのかという点だ。

 発端は、大阪市立総合医療センターの人事だった。2012年4月、凍結精子の管理責任者だった婦人科の副部長が、別の病院に異動した。不妊治療の後任がいなくなるため、副部長は1年後の13年3月末で管理を終えることにした。

 病院が保存していたのは13人分の凍結精子。うち、廃棄の了承が得られていなかったのは7人。元副部長は、看護師に対して口頭でこう伝えたという。「1年をめどに患者の意向を確認するよう、しかるべき部署に伝えて対応してほしい」。ほかの医師には引き継がなかった。

 病院によると、看護師はこのとき「ドクター間で対応してください」と返答。8カ月後の12年12月には、元副部長の上司である婦人科部長にも対応を求めたが、この婦人科部長は後の調査に対し、「看護師に言われたことも対応したかどうかも記憶にない」と述べているという。

 凍結精子の保存は、14年9月ごろに打ち切られた。当時の管理責任者だった婦人科部長は今年4月、患者からの問い合わせがきっかけで知ったという。

 ■患者に伝達、医師思い込み

 次の疑問は、7カ月もの間、病院側が知らなかったのはなぜか。


引用元:
意思確認なく凍結精子の保存中止、なぜ?(朝日新聞)