子宮頚がんをはじめとしたがんの手術や放射線療法、化学療法の後に、うつ症状などの悪い影響が出ることがあります。アメリカで、子宮頚がん患者を対象に電話でのカウンセリングが試され、うつ症状を減らすなど生活の質(QOL)に改善が見られたことが報告されました。


◆子宮頚がん患者204人をランダム化

研究班は次のようにして、「心理社会的電話カウンセリング」(PTC)と名付けられたケアの方法を試みました。


我々は子宮頚がんの生存者で診断から9か月以上30か月未満の204人を対象に、PTCと通常のケアを比較するランダム化臨床試験を行った。

子宮頚がんの診断後9か月から30か月の患者204人が対象となりました。対象者は、PTCを受けるグループと、通常のケアを受けるグループにランダムに振り分けられました。対象者は試験開始から4か月後と9か月後に、QOLについての調査項目に自己申告で答えました。



◆4か月後にうつ症状が改善

試験から次の結果が得られました。


年齢と治療開始時のスコアで調整したのち、PTCの群では4か月時点でうつ症状、婦人科・腫瘍特異的事象について通常のケアの群よりも有意に改善があった(すべてP<0.05)。婦人科・腫瘍特異的事象は9か月時点でも有意差があった(P<0.05)。

PTCを受けたグループで、4か月後にはうつ症状と、QOLのうちがんに関係する項目が、通常のケアの群に比べて改善がありました。QOLの改善は9か月後にも続いていました。



がんの症状だけでなく、がんの治療が体にも心にも負担をかけることは珍しくありません。ここで紹介した方法のほかにもさまざまな方法で、生存だけでなくQOLの改善が目指されています。


引用元:
電話カウンセリングで子宮頚がん患者のうつ症状が改善した アメリカで204人のランダム化試験 (MEDLEY)