生まれてくる子どもの性別は、その後において母親の妊娠性糖尿病または2型糖尿病の発症リスクに影響を与えている可能性があるという。

赤ちゃんの性別が影響する?

 カナダ、トロント大学を含む研究グループが、ホルモン分野の専門誌であるジャーナル・オブ・クリニカル・エンドクリノロジー・アンド・メタボリズム誌で2015年5月20日に報告した。

 研究グループは、胎児の性別が母体の糖尿病発症に影響するかどうかを明らかにするために、カナダ、オンタリオ州の保険記録を用いて、2000年4月から2010年3月の間に第一子を出産した64万3000人の女性における糖尿病症例を検討した。双子以上の出産を除いた「単胎出生」のみを対象としている。

赤ちゃんが母親の体に影響

 その結果、女の子を妊娠している女性よりも男の子を妊娠している女性で妊娠性糖尿病になりやすいと分かった。

 妊娠性糖尿病は母体の基礎疾患としての代謝異常に加えて、妊娠中に起こる一時的な代謝の変化の組み合わせで起こる。研究グループは、「男の子の胎児は女の子の胎児よりも妊娠に関連する代謝的変化を引き起こしやすい」と推定する。

 一般的に母親の健康が赤ちゃんに影響を及ぼすといった調査はよくある。逆に赤ちゃんそのものが母親に影響を及ぼすという発想の転換も必要なのだろう。

 糖尿病にかぎらず、男の子の妊娠と女の子の妊娠で母親にどんな差があるかのは関心の対象になりそうだ。


引用元:
おなかの赤ちゃんが男の子だと母親は糖尿病になりやすく、64万3000人の女性を対象に分析(Medエッジ)