希望しても2年以上妊娠できない状態と定義している不妊症について、日本産科婦人科学会は、この期間を「1年以上」に短縮する案をまとめた。全国の産婦人科医から意見を聞き、8月にも正式決定する方針。

 同学会は「男女が2年間、避妊せずに性生活を続けても妊娠しない」ケースを不妊症とみなし、不妊治療を始める目安としている。

 新たな案では、晩婚化が進んで早期の検査や治療が求められるようになった現状や、欧米の生殖医学会が1年間としていることを踏まえ「1年というのが一般的」と定義を改めた。ただし、卵巣や精巣の異常など、医学的介入が必要な場合は、期間を問わず不妊症と考えるとしている。

 国内では6組に1組のカップルが不妊症に悩み、約50万人が何らかの不妊治療を受けているとされる。通常は妊娠を望めば1年で約8割、2年で約9割が妊娠するが、男女とも年齢が上がるほど妊娠しづらくなる。案をまとめた同学会生殖・内分泌委員会の苛原(いらはら)稔・徳島大医学部長は「早めに不妊治療を始めるきっかけになれば」と話す。【阿部周一】



引用元:
不妊症:「1年以上」で 産科婦人科学会、定義見直し案(毎日新聞)