眠気にかかわるホルモン「メラトニン」が、胎児の頃の臓器形成にも重要な働きをしていることを、大阪大などのグループがマウスの実験で明らかにしたと発表した。さまざまな形や大きさの臓器が作られる仕組みの解明などにつながることが、期待できるという。
 研究グループは、脳内などから分泌されていることが知られていたメラトニンが、マウス胎児の唾液腺(だえきせん)からも分泌されていることを明らかにした。
 メラトニンは体内時計を調節していると考えられているが、研究グループはマウス胎児の唾液腺が作られる際のメラトニンの働きに注目。細胞に働いて、目的の臓器の大きさになるように細胞の形や接着具合を変える役割を担っていた。細胞数を増やしてはいなかったという。
 大阪大大学院歯学研究科の阪井丘芳(たかよし)教授は「メラトニンが、唾液腺以外の臓器形成でも、どのように働くかが分かれば、発生の仕組みの解明や再生医療への応用が進むのではないか」と話す。
 論文は、米科学誌プロスワン電子版に掲載された。
(今直也)
(朝日新聞 2015年5月28日掲載)




引用元:
「眠気ホルモン」臓器形成を調整 阪大などのグループ、マウス胎児で実験 (apital)